始まりの魔法

日は変わり、何の変哲もない朝、

「ピピピピ、ピピピピ」

いつものアラームが鳴る。


今日は桃花が先に起きている、珍しい事もあるなと思った。

「桃花、おはよう」話かけても返事が無い。

少し寝ぼけたオレも、桃花の様子が変な事に気が付く。


唐突に桃花がしゃべった

「元の姿になれた!」

「私、女の子に戻れてる!!」

オレの頭脳は全く理解が追いつかない、

だが手に持ってるタブレットに映るオレ、控えめに言っても美少女だった。

長髪で歳はオレと同じ中学生くらいだろうか?


「これは!変な薬でも妹に盛られたのか?」


とっさにそう思った、でも漫画じゃないから、それはありえない。

混乱しながらも目先の事態について桃花に言った

「この姿で、学校はどうするんだ!」

桃花は弾む口調で

「兄貴が念じれば元の姿に戻れるし、魔法だって多分使える、

日常は今までと同じでいいんだよ~、

元の姿に戻って、とりあえず学校へ行こう」


何が何だか分からない、だが元の姿をイメージしてみる。

身体が光り出し1秒もかからず元の男子姿に戻った。

「私が念じれば女の子になれるんだ!

理解したでしょ兄貴!」


全く理解できないに決まってる!


これから後、普通の生活が二度と訪れない事を、その時点でのオレは想像もしていなかった。

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