11/22 呪文
正面にエヴァリスト公の肖像画、周りにパソコンなどの機材、そして、生首たちの写真がいたるところに飾られている。どれも楽しそうに笑っている。
その女がパソコンの前にいる。鬼のような形相でこちらをにらんでいる。
後ろにいる生首たちから緊張感が伝わる。
そうだ、肖像画の男は彼らにとっては不俱戴天の仇だ。
怖くて仕方がないはずだ。
「アンタはこんなところで何をやっている」
「知ってるのよ、あの子を連れて行ったでしょう」
「なぜ、こんなことをした! 彼らで何をするつもりだった!」
「扉を壊して、呼び寄せたんでしょう?
知ってるんだから、全部カメラに映ってた。そして、今も」
パソコンの画面に俺たちの姿が映った。
施設のいたるところに監視カメラを仕掛けているということか。
「アンタたちこそ、何を考えているの。
私はただ、あの子たちを守りたいだけ。
あの子たちを守れるのは、私だけ……」
呪いの呪文のようにつぶやき続けた。
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