11/20 たぷたぷ


俺は首塚の扉を再度、こじ開けた。

友人はカメラをずっと回し続けている。


これですべてが明らかになる。

警察が来るのも時間の問題だろう。


梯子を下っていく。あの女を探さなければならない。

彼女はどこにいる。あの生首について問い詰めなければならない。

なぜ、人生を棒に振るような真似をしたのか。


友人はカメラを片手に取れ高を求め、部屋を手分けして探していく。


扉を開けた途端、肌を突き刺すような冷気が流れ込んできた。

生首たちが液体で満たされたガラスケースにたぷたぷと浮いている。

俺は息をのんだ。連れてきた生首が隙間からごろごろと部屋に入った。


「みんなー、ただいまー」


生首が声を上げると、ガラスケースの水が引いていく。

洗濯物みたいに乾かされ、中の生首たちが一斉に目を覚ました。


「おかえりー」


「だれー?」


「わ、やばい」


「どーしよー」


俺を見て生首たちがざわざわと騒ぎ出した。

不法侵入者なんて、初めて見たのだろう。

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