11/19 置き去り

あの女はすべてを置き去りにして、生首たちをよみがえらせた。

女は生首の守護者を名乗り、生首たちと共にあの首塚に隠れ住んでいる。


首塚の下を魔改造し、専用の秘密基地を作ってしまった。

どこからそんな資金を調達してきたのかは分からない。

どのようにして生首を復活させたのかは分からない。


しかし、これ以上、この生活を続けていても仕方がないだろう。

あの女がいかに狂っているか、世に知らしめる。


情報を回せば回すほど、世間は食らいつく。

下手したら、警察を呼ぶより早い。


「へえ、これが例の生首ですか。なんだか撮れ高の予感がしますよ?」


友人はずっとカメラを回している。

これを全世界に発信すれば、状況は一気に変わる。


「これ以上、あの女の自由にさせるわけにはいかない。

この手であの狂気を止めて見せる」


「しかし、いいのですか? 

あなたがやることでもないでしょうに」


「俺がやらなければならないんだ。

誰も明かさない真実、それを証明するんだ」


世間が明かさないなら、俺たちで暴くしかない。

迷う理由がどこにあるというのだろう。

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