11/16 面
果てしない調査の末に生首たちを連れ去った男の面が割れた。
本当に気が遠くなるような時間だった。
町中のカメラをジャックし、常に監視していた。
今までになかったことだから、少々信じがたい。
首塚を破壊すれば、誰も気づかないと思っていたのに。
生首たちを復活させても、気にも留めないと思っていた。
どうやって気づいたのだろう。首塚の隠し扉に細工していた。
生首をおびき出し、拉致する様子が映し出された。
「みぃつけた……」
思わず笑ってしまった。
バイクの後ろかごにのせて、森の方へ走っていった。
数時間後、男は町に戻り、自宅へ連れ帰った。
男の身柄はすぐに特定できた。
付近の大学に通う学生だ。
「大丈夫よ、私が助けに行ってあげるから」
私は生首をそっと抱きしめた。
彼らは絶対に欠けてはならない。
「いたの?」
「やった」
「よかった~」
生首たちがそれぞれ喜び合う。
彼らは一蓮托生、一人でも欠けたら成立しない。
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