11/15 猫
近所の野良猫が生首を奇妙な目で見ていた。
生首はビビってしまって、ごろごろと転がる。
「そんなに猫が怖いのか?」
「動物に勝てないからね」
しょんぼりと答えた。手足がないから動物を追い払う方法がないのか。
生前の記憶はあるが、絶対に話そうとしない。
「お前、牧場だと言っていただろ。その意味を少しだけ考えてみたんだ」
最初は単語しか喋らなかったのが今では会話が成り立っている。
あの女の下にいると頭まで悪くなるらしい。
「美味いメシと快適な空間が与えられ、何をするでもない。
ただぐうたらと生活をする……自分たちが太るだけ太らせる家畜と変わらないと思ったんじゃないか?
だから、お前たちの脳みそに牧場という単語がこびりついている」
破壊された首塚は元通りに修復された。
しかし、供養していたはずの骨がなくなっていた。何者かに奪われた。
逃走中の犯人に関する証拠がいくつか見つかった。
だから、あの女の下にたどり着いたんだ。
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