11/4 温室
首塚の下に温室がある。生首牧場の最奥にある施設だ。
そこで生首フーズとなる野菜を栽培している。
温室ができてからは野菜の供給が安定するようになった。
当たり前の話だが、生首は食事をしないと生きいけない。
人間と同じような食生活をすると、栄養が多すぎてかえって不健康になる。
だから、生首用に調整された専用のフーズが必要になる。
それを数年前に開発したのが彼女であり、量産化に至ったのは本当に奇跡としか言いようがない。
機械による完全自動化、安全装置付き、誰が操作しても同じものができる。
野菜と穀物を指定された分量を入れるだけで完成する。
さらに快適な食事時間を過ごすことができるようになった。
「めしめし」
「ごっはーん」
「むぐむん」
ユリは鼻歌を歌いながら、茶色の粒を皿にあけた。
それをいくつも用意し、床に置く。
すると、彼らは一斉に皿に飛びついた。
それを眺めるのが彼女にとって、最大の幸福なのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます