第13話 幕間茶番
部屋の中央付近に長テーブルが「コ」の字型に置かれ、そこに着席している見覚えのある人物たち……。
それは紅音だった。
それも一人ではなく、10人ほどの紅音が着席しており、リーダーらしき紅音が、
「それでは、第178回ご主人さま会議をはじめます」
と宣言する。
ハァ?っとなる瞳。
どうやら蒼馬にご主人さま呼びを解禁させるための会議のようだ。
今現在、実行されているのは睡眠ご主人さま、サブリミナルご主人さま、スキあらばご主人さま、ですが効果はイマイチのようです。
何か新しいプランはありませんか?
眼鏡をかけた秘書風な紅音がアイデアを募る。
「んなモン、力ずくで既成事実作っちまえばどうとでもなんだろ」
ショートヘアの紅音が言う。
なんかケダモノみたいのがまじっている……。
「それはあくまでもプランBです」
プランZぐらいにしときなさい。
ってかアンタ否定しなさいよ!
「でもご主人さまも男の子なんですから、色仕掛けもありなんじゃないかしら」
色っぽい感じの紅音の意見に対し幼い紅音は、
「いきなりご主人さまだと抵抗あるみたいだから段階を踏んでみたらどう。お兄ちゃんとかならすんなり受け入れてくれるんじゃないかなぁ」
んなワケないでしょ。
って言うか、お兄ちゃんの方が違和感ありまくりでしょうに。
「それってあなたがお兄ちゃんって言いたいだけなのでは?まぁ、せっかくですからそれと色仕掛け案もプランBに組みこんでおきましょう」
プランB、多くない?
そんな紅音会議をへきへきとしながら見守る瞳はいつの間にか自分の横に双羽がいることに気づいた。
「双羽、アンタいつの間に……」
瞳の言葉にふりむきながら、
「
ハッとする瞳。
双羽の奥に見える窓ガラスに映るのは、紅音の姿だった。
しかもこちらを向いている双羽を映しているのならば後ろ姿が映っているはずなのに、ガラスに映った紅音はこちらを向いて微笑んでいる。
「ヒィっ?!」
驚きのあまり声を上げる瞳。
悪い夢はそこで覚めた。
酷い夢だった。
双羽まで巻きこんで……。
いやっ、双羽ならノリノリで紅音になりきるような気がする……。
そんな事を考えながら、ふと言葉が漏れる。
「
自分の口から出た言葉にギョッとする。
そして瞳はベッドの横の窓にかかるカーテンを開け、ガラスに映る自分の姿を確認する……。
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