うちの子たち、おばかなんですけど、担任より大人だとおもいます。

@meme0216

第1話 始業式

 五大都市にも関わらず、両脇田んぼの農道を2キロ行った先にある、ポツンと中学校。

 私、花沢みかんが大学を卒業し、教員になって初めて配属された学校は、この、なんとも自然豊かな、豊かすぎる山森中学校。

まっ、「豊かにもほどがある」という話しはまた今度。


いよいよ、4月7日、みかんは、初めて担任をもつ生徒たちが、どんな生徒かワクワクとドキドキで頭がいっぱいだった。


始業式もおわり、いよいよ担任発表。おそらく、中学生生活の1.2を争う盛り上がりを見せる場面ではないだろうか。


学年主任の南野が1組から順に発表していく。

「1組……… 

田村先生」

やはり、先生たちも楽しいのか、名前までのためが長い。

(そんなに、ためられて、反応がなかったら

 どうしよう。気まずいよ…)


『えーーー』

『うわ、毎日宿題出さな怒られる〜』


田村先生は去年から一緒の先生だから

生徒からの反応がたくさん!

さぁ、いよいよ花沢の番です。


「2組担任…………………  

『めっちゃためるじゃん!』

『はやくしてよー!』


なぜか、私のクラス2組の発表は、

めちゃくちゃためられた。学年主任の南野先生の匙加減なのだが、(え、そんなにためないでよー。反応なかったら、どうしてくれるのよ…)


「花沢先生」


『えーうそ!女の若い先生だ、優しそー』

『いいなー、宿題チェック甘そう』


最初の反応は、たくさんあったから一安心。

(でも、後から生徒に聞いた話しだが、どんな先生かも全くわからないから、少し不安だったらしい。私の顔がだいぶ薄味の“おたふくより”なので、頼りなさそうにみえたのだそう。)





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

うちの子たち、おばかなんですけど、担任より大人だとおもいます。 @meme0216

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ