第4話 前世は『英雄』でした
「それで、今お渡ししている『情報』までで何かご質問はありますか?」
『女神様』に聞かれたので、何度も考えた疑問を聞いてみる。
「『俺の所為で世界が崩壊した』って言われたけど、『特殊個体の小鬼に影響を受けた魔素』の所為の間違いじゃないですか?」
「えーとですね、正確には『貴方』と『特殊個体の小鬼に影響を受けた魔素』、両方の所為ですね。
お渡しした『情報』にもあったと思うのですけど、貴方はレアキャラで、貴方を通って『神力』を生成すると『生成効率』が上がる、いわゆる『触媒
「『触媒魂質』って・・・、それでもちょっと効率が良くなったからって、世界崩壊なんて・・・」
俺が認められずにいるのを、『女神様』が困った様な表情で見てくる。
「数字で説明した方が解りやすいでしょうか?
通常の小鬼を討滅した際の魔素を基準として、通常『1つの魂が1日に生成する神力』の量を1とします。
これに対して、『貴方が1日に生成する神力』の量は約1兆です。
『特殊個体の小鬼に影響を受けた魔素から生成された神力』の効果を火薬に例えた場合、『通常の魂によって神力を生成』したら1g程度、線香花火に換算して2本分に対して、『貴方が生成』すると10t程度になります。
30号の打ち上げ花火数百発分に相当する火薬が爆発する事をイメージして下さい、普通に倉庫は吹き飛びますよね。」
「打ち上げ花火数百発分って・・・、っていうか1兆倍?」
まさに桁が違った。
「そうですよ。それだけの『生成能力』への影響力があるので、貴方を優遇しているんです。」
『女神様』がさも当然と言うように頷いている。
「優遇って?俺、何かしてもらってました?」
だけど、心当たりが無くて思わず聞き返してしまった。
「
しれっと仰る『女神様』だが、確かにそうかも。
つい気安く話せたから意識しなかったけど、『神様』と話してるんだよな。
「まぁ、貴方は記憶がリセットされているから明確には覚えていないでしょうけど、何度かこうして会話しているので、もしかしたら微かにでも残った記憶が影響してるのかもしれないですね。」
「記憶をリセット?」
「そうですよ。貴方はレアキャラなので、使い捨てになんかしません。
何度か『転生』する際に会って、記憶を引き継ぐか確認したりもしています。」
「『転生』って、ちなみに『前世』のことって聞いても良いですか?」
「構いませんよ。
直前の『前世』は、『
ちなみに『
差別化の為に、『
まぁ、『
「『邪神(ウイルス)』って何ですか?」
ヴァンパイアウイルスみたいなのか?
感染すると『邪神』になるとか?
マスクで予防できる?
「違います。コンピューターウイルスみたいな感じです。
『世界の制御システム』に感染して、生成された『神力』を横取りするんですよ。」
「あー、
えっちぃサイトとか見ると感染しちゃうんだよね。」
「えっちぃサイトなんて見てません!!!」
両手でローテーブルを叩いて反論される『女神様』。
なんか今までで一番大きい声でいらっしゃる。
「友達、そう、友達からのメールを見たら感染しちゃったんです!!!」
なんか気まずい・・・
そうだよね、『女神様』だってお年頃だよね。(何歳か解らんけど・・・)
「えーと、『英雄』!なんか俺、主人公っぽいですね!?」
とりあえず話を逸らしてみる。
「そうですね!まさに主人公って感じで、モテモテだったみたいですよ。」
嬉々として話題転換に乗ってくれる『女神様』。
「それで『邪神』退治後にお嫁さんい~っぱい貰って、苦労したみたいですけどね。」
仕返しとばかりに、意地悪な笑みを浮かべる『女神様』。
そうだよね、心の声聞こえてるんだもんね・・・
「だから『邪神』退治のご褒美に、今世は『記憶をリセットして、幼馴染みと1対1で相思相愛。NTRもBSSもなし』ってご希望を叶えてあげたのに。」
「マジかぁ!!!!」
『前世の俺』、Good Job!
そして逃がした魚は本マグロだった。
「もう一度、同じ設定でお願いします!」
土下座します。
五体投地の方が良いですか?
「土下座も五体投地も結構です。
本来もっと早くこの話をしたかったんです。
それで、もう一度『同じ設定でリスタート』で良いんですか?
『あの日からやり直す』ことも可能なのに。」
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2023/10/15 『魔素』、『魔法』、『魔術』に関する記述を修正
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