卓上醤油さしを手に持ったまま転移した日本人が有名になってしまった異世界に転移した結果

 異世界転移初日、周りの異世界人たちの視線が冷たい。通りを歩いているといきなりチッ、と舌打ちされた。


異世界人A「うわ、また転移者かよ……」


俺(なんでこんな嫌われてるんだ?)


 俺は近くの酒場に入った。するとなぜか、テーブルの上に日本の食卓でよく見るような醤油差しが置いてあった。


俺「……どうしてコレがここに?」


 俺が首を傾げていると、隣に座って酒を飲んでいた異世界人たちが絡んできた。


異世界人D「転移者さんさぁ、何にでも醤油つけて食べるのやめてくれない? こっちの文化尊重しようよ」


俺「いや、別に俺は……」


異世界人B「転移者さんさぁ、俺たちも最初の頃はうわーすげーって言ってたけど、今となっちゃ全部見飽きたんだよね」

異世界人C「俺TUEEがしたいんでしょ? 社畜生活が大変で」


俺「何の話ですか?」


 意味が分からず、俺は彼らが指差さす先を見た。すると街の広場の中心にがあった。

 まるでどこぞの偉人かのように鎮座するそれを見て、俺は何が起こったのか色々と察した。



タイトル:醸造の無制限 〜醤油『後』の異世界〜

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