「陰陽師」が気になって読み始めたお話ですが、舞台になっている「小樽」の情景にすっかり魅せられてしまいました。
歴史を感じさせる建築物に、美味しそうな食べ物たち──。
臨場感あふれるリアルな描写は、そこで起こる怪異をもありありと描き出し、霊感体質の弥生に迫る恐怖も迫力満点ですごくドキドキします。
そして、そんな弥生の窮地を救ってくれるのが、陰陽師である博臣と彼の式神・音羽です。
ふたりとも色々な意味で様々な顔を持つ、とっても魅力的な人たちなんですよ。
博臣のカッコよさ、音羽のキュートさ──その奥底にある弱さやそこから生まれる強さを皆さまにも知っていただきたいです。
他にも素敵なキャラクターや気になるキャラクターが続々登場し目が離せなくなる、少しだけ懐かしい平成時代のあやかし奇譚。
呪詛のもたらす苦味と、スイーツを食べたときのような楽しさをぜひとも味わってみてください。
オススメです!
小樽へ行ったことがない私でも、まるで物語の中で共に生活しているかのような丁寧な描写に驚きました。
そして、作者様のキャラクターに対する愛情が随所に感じられるのも最高です。
物語の中で、描かれるキャラクターたちは皆、人間味があって親近感が湧きやすく、感情移入しやすい点も作者様のこだわりが見えて、素晴らしいと思います。
真面目なレビューはこの辺までにして。
このレビューを目にしたあなたへ
人情物語に没入したい、魅力的なキャラクターに出会いたい?
準備はできましたか?
小樽のどこかで【パティスリーシノノメ】はもう開店しているみたいですよ?
最高のスイーツと個性的なキャラクターたちに囲まれる覚悟はできましたか?
では、もう言うことはございません。
一度物語に触れれば、いつの間にか夢中になっているでしょうから。
それでは、いってらっしゃいませ。