第10話とある終末の日常4
ザイオウとの仁義なき。ババ抜き対決に勝利した。私達は、奪われた。
食料を取り返し。かつての商店街があった場所に戻ってきた。
「おーい。盗られた。食料を取り戻したよー」私が大声で、総菜屋の
おじさん二人に報告する。それを聞いた。おじさん二人は、私と
ルンちゃんに手を振りながら、声をかける。「お嬢ちゃんたちー
ありがとうなぁー」「ありがとうー」「おじさんたち。喜んでる。喜んでる」
「イナ。少しは代わってくださいよ」荷車を押す。ルンちゃんが、私に
荷車を押すのを代わってくれと言ってくる。それを聞いた。私は
「無理。先のババ抜きで、荷車を押す。力が、残っていないの」
私は、左肩を揉みながら、荷車を押すのを代わるのを拒んだ。
「そんな理由で、断らないで下さい」少し、ムスッとした表情で
私を睨む。ルンちゃんが可愛い。「まぁ、そう言わずにさぁー。
ルンちゃん。ガンバだよ。ガンバ」私が、ルンちゃんを励ます。
あの時、ルンちゃんが、私に応援してくれた時の感じで。
「何ですか?その気持ちのこもっていない。ガンバは?」
「いや、先、ルンちゃんが私に言ってくれた。応援だよ。
ほら、ババ抜きの時の」私が、ルンちゃんにババ抜きの時に
私とザイオウの命運がかかった。あのババ抜きの応援だよ。
そうルンちゃんに答えると、ルンちゃんが更にムスッとした表情で
私に反論してきた。「私は、ちゃんと気持ちを込めましたよ」
「そうなの?」「えぇ、イナ。ガンバってしっかりと気持ちを込めた。
応援をしましたけど」少しだけ、怒っているように私に反論をする。
子供みたいな。ルンちゃんは、やはり可愛いよ。私は、何とか
ルンちゃんの機嫌をとり。結局、ルンちゃんの代わりに、荷車を
押す事になった。「ほら、ガンバ、ガンバ。もう少しですよ。
イナ」「いや、それ全然気持ちこもってないじゃん」「こもっていますよ。
しっかりと、心を込めて」ルンちゃんが、胸に手を沿えって、何かを
祈るように天を見つめる。「ルンちゃんは、いつから、シスターに
なったのかな?」私が、イジると、ルンちゃんが真顔で、私のイジりに
反応した。「よく、わかりましたね。私が、シスターだった事を」
「はぁ?」「はい?」「えっ?ちょっと待て・・・・・・」「はい。待ちます」
「それって、本当なの?」「何がです?」「いや、ルンちゃんが、シスター
だったって・・・・・・」生唾を飲む。私の顔を見て、ルンちゃんが微笑む。
そして「はい。本当ですよ。私、前に小さな境界でシスター見習いを
していたんです」「そうなんだ・・・・・・知らなかったよ」「はい。聞かれて
ないんで。言わなかったです」私は、驚いた。まさか、私がルンちゃんの
仕草を見て。シスターだった事を当てるなんて・・・・・・。それって、
それって、私って、どんだけ。ルンちゃんの事が好きなの。
「どうしたんですか?イナ。顔が気持ち悪いですよ」「えっへへ
何でもないよ。はぁー私見た方なぁー。ルンちゃんのシスター姿。
きっと、聖女様みたいなぁ、優しいシスターだよなぁー」「そんな
たいしたものじゃありませんよ。本当に、小さい教会の見習い
シスターだったので」ルンちゃんは、どこか悲しげな顔をしていた。
きっと、地球に巨大隕石が落ちて。その教会もなくなって。
自分が、帰る場所がなくなったのかな。私もルンちゃんの方を
見て。涙を浮かばせた。すると、ルンちゃんが私の涙を見て。
優しく声をかける。「まぁ、教会自体は、100年前に建物が
なくなったけどね」「そうなの?」「うん、私が生まれる前には、
もうなかったから。それを悲しむ。先代の神父さまの子孫が
作った。本当に、小さな教会だから」それは、比喩ではなく。
本当に、そうなんなのかと私は思った。私は、前を向き。
荷車を押す。ギャングたちから、奪い返した。食料を乗せた。
荷車を押しっている。すると「おーい。お嬢ちゃんたちー無事かー」
大きな声で、私達に声をかけるのは「あぁ、おじさんたちー。
奪われた。食料取り返しってきたよー」私も負けないぐらいの
声量で、この言葉を返す。その声を聞いた。おじさんたちが
「ありがとうなぁー取り戻してくれってよー」「ありがとうー」
おじさんたちの大声を聞き。私とルンちゃんは駆け足で
かつて商店街があった場所に向かう。ルンちゃんが後ろで
荷車を押してくれた。これは、とある終末世界の何の変哲も
ない。日常の風景だ続く
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