第9話とある終末の日常3
「この俺様と、ババ抜きで勝負だと」眉間を歪ませながら、私とルンちゃんを
睨む。ザイオウと睨み返す。私とルンちゃん。「そう、私達が勝ったら
あんた達が奪った。食料を返してもらうから」どんと胸を張り。高だがとと
告げる。私を横目に、毅然とした。表情で、佇む。ルンちゃん。「だが、俺様には
何のメリットがないが?」確かに、こいつらにはババ抜きに勝っても、何の
メリットがない。むしろ、デメリットしかない。だけど、そんな事はどうでもいいと
思う。私が黙っていると、ルンちゃんが口開いた。「私達が、負けたら
あなたのチームに加わるのはどう?」「ほぉー」「はい?」何を言っているのか。
一瞬、分からず。私は黙る。だが、その沈黙は一瞬だけだった。「ちょ、何を
言っているですか。ルンちゃん」「何って、私達がババ抜きに負けたら、この
人たちのチームに入る事ですけど」ルンちゃんは、私、何か変な事言いましたか?そんな表情で、私達のデメリットを口にする。私とルンちゃんが、負ければ。
この世界征服を企んでいる。世紀末集団の仲間になるなんて、それは絶対に
負けられない。私は、心に闘志を燃やし。ザイオウに睨みつける。すると
ザイオウは突然。「ハッハハーいいぞ。貴様ら、イイ目をしている。俺様は
これを見たかったんだ」少女の睨みつけるのを喜ぶとは、なんて変態なんだ。
こんな変態野朗の仲間になんか。絶対にやりたくない。決意を込めて、私と
ルンちゃんとザイオウは、丸テーブルを囲み。ルンちゃんが、トランプを切る。
「いいですか。ルールは簡単です。どっちらか最後にババを所持していた方が
負けです」「ふん、ババ抜きのルールなんざ、知っているさぁ」トランプを切る。
ルンちゃんとそれを睨み続ける。ザイオウと、そんな二人を眺める。私の
おかしなトライアングができてい。それに、私の隣には
「何で、あんたがいる訳?」私の横には、先ほどザイオウに腹を殴られた。
大きい方の男が座っていた。「そいつも、参加させた。二対ニでちょうど
いいだろ」「まぁ、そうだけど」それはそうか。二対一じゃ、向こうが不利だし。
そこはいいとして。私の反対側には「アニキーリベンジすっよー」と言って
大きい方の男の応援をする。小さい方の男の姿。「ちょっと、私の耳元で
大きな声出さないでよ」「すいやせん。って、何でオイラが謝るだよ」
なんと言う。間の悪い。ノリツッコミだよ。心の中でツッコミを入れる
私を見て、睨む。小さい方の男と睨み返す私。「イナ。戦いに集中して」
「はい」ルンちゃんに怒られた。この小さい方の男のせいで。切り終わった。
トランプを配りだす。ルンちゃん。そのトランプを手元に寄せる。プレーヤー達。
私の手元には、ババがある。これを大きい方かザイオウに引かせればいいだけ。みんな、真ん中に同じ数字のカードを捨てて、宣言する。「俺様は6枚だ」
「俺は5枚だ」「私も5枚です」そして、私も「私は7枚」私が一番、手元のカードが
多い。その理由は、ババを持っているから。「と、言う事は、お嬢ちゃんから
半時計周りで、ゲームを開始となるなぁ」ザイオウが、そんなルール紹介を
するなんて。そんな事を思いながら、私は、半時計周りの大きい方の男から
手元のカードを一枚引く。結果は揃わず。それから、大きい方の男は、
ルンちゃんの手札から、一枚引く。結果は、揃ったらしい。
「さすが、アニキー」謎に声を上げる。小さい方の男。その後、ルンちゃんが
ザイオウの手札から、一枚引く。結果は揃った。それから、ザイオウが、私の
手札から、カードを一枚引く。結果は揃った。中央に揃ったカードを捨てる。
惜しくも、ババは引かなかった。それから、数ターンが続き。大きい方の男と
ルンちゃんは上がり。残ったのは、私とザイオウだけになった。
そして、私の手元には、ハートのエースとババの二枚が残された。
「どうやら、残ったのは、俺様とお嬢ちゃんみたいだ」ザイオウが
不適に笑いながら、現在の状況を言ってきた。「ふん、降参するなら
今のうちだよ」私の問いに、何も反応せず。ザイオウが、私の手札を
吟味する。「お嬢ちゃんの持つ。二枚の中に、ババがあるのは判明
している。それを選ばずに、俺様がハートのエースを引けばいい」
ゆっくりと、自身の勝利条件を説明する。ザイオウの眉間が寄る。
「イナ。ガンバ」ルンちゃんの味気ない応援が胸に沁みる。
「さぁ、ザイオウさんよぉー引いてもらおうか。あんたの勝敗を
決める。カードを」私は、自分の手札を思い切り、ザイオウの前に
突き出す。「ふん、面白い。面白いぞ。このザイオウの強者の
底力を見せ付けてやろうー」「いけーザイオウ様ー」ギャングの
したっぱの怒声の応援と「イナ。ガンバ」ルンちゃんの味気ない応援。
その声援を胸に、両者の背中が燃え上がる。「いや、これって、ただの
ババ抜きですよね」「うるせぞ。黙って、見届ける」あぁ、そうだよ。
小さい方の男の言う通りだよ。これは、ただのババ抜きだよ。
この勝敗で、私とルンちゃんはコイツらの仲間になるかもしれないなんて。
そりゃあ、いい暇つぶしだよ。ザイオウが、私の手札から、一枚。
カードを引く。私は、引かれた。カードを目で追う。ザイオウは、引いた。
カードを見つめる。そして、ザイオウが「くっ、揃わずか」と呟く。
そう、ザイオウはババを引いた。始まってから。ずっと、私の手元に
あった。ババを引いた。「ふぉー」私は、深い深呼吸をして。
今度は、ザイオウの手札から、カードを一枚引く。これが、ハートの
エースなら。私達の勝ち。なぜか、場の空気が重く感じる。こんなに
緊張感がある。ババ抜きは初めてだ。私は、引いたカードを見つめる。
その引いた。カードの絵柄は・・・・・・「ふん、この勝負。私達の勝ちだー」
中央に、揃った。ハートのエースを強く、叩きつける。
そして、私は思い切り。両手を天井に突き出す。「ふん、俺様の
負けか・・・・・・」ザイオウは、最後の一枚になった。ババを見つめながら
ボソと呟く。終末世界で、仁義なきババ抜き対決に勝利した。続く
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