第8話とある終末の日常2
そこにいる連中の品のない。笑い声が、聞こえる。「ヒャホーこりゃ
最高だぜ~」「これだけありゃ、当分は飯の心配はしなくって済むなぁ」
あのかつての商店街から、奪った。食料を今晩の晩酌にして、ゲラゲラと
笑いあう。品のない連中のゲスい笑い声が、私の耳に届く。「あいつら
あんなに、沢山の食料を奪ったのか。ゆるせねぇ」拳のボキボキと鳴らす。
私を見て、ルンちゃんは「イナも、品がないよ」と呟く。「いや、私はあるから
品の良さが、でもあいつらにはないから」なぜか、自分を棚に上げて
ギャングどもをディスる。私も、ないかも知れない。品が・・・・・・
いや、今はそんな事で落ち込んでいる場合ではない。早く、あいつらから
奪われた。食料を取り戻さないと、私は強行突破をしようと、足を一歩
前に出す。すると、ルンちゃんの手が、私の肩を優しく掴む。「待て」
「どうしたの。ルンちゃん」「このまま突っ込むのは危険かも」「何で?」
「アレを見て」「アレ?」ルンちゃんが、目配せで私に何かを伝えよとした。
私の目は、アレを見つめた。その目線の先には、私が、かつて大きなビルが
あった。ビルの残骸の裏路地で、絡まれた。あの二人の男の姿がいた。
大きい方の男は、頭にグルグルと包帯を巻いていた。小さい方の男は、
ルンちゃんにやられた時に受けた。怪我をガーゼで止めていた。そんな
二人の男の前には、一際大きな体格をしている。覇王がいた。「で、貴様らは
その少女二人にやられたって事か?」「は・・・・・・い・・・・・・そうです」大きい方
の男が小さくなりながら、答えた。すると覇王は、大きい方の男に近づき。
思い切り。その大きな拳を大きい方の男の腹にぶつける。
「はぁ・・・・・・あぁ・・・・・・」言葉を詰まらせたような声が辛うじて聞こえる。
「アニキー」小さい方の男が、叫ぶ。その声に覇王が反応して、小さい方の
男の前に来た。「この俺様のチームに所属している。てめぇらが、少女二人に
やられて。帰ってくるとは・・・・・・何て、哀れなんだ」そう言って、覇王は、拳を
小さい方の男の顔面を思い切り。殴る。それを見た。他の連中が、何かの
格闘技の試合を観戦しているような、声で騒ぎ出す。その騒ぎを声を、覇王は
手で制止させる。そして、口を開き。何か演説ぽい事を言い出す。「いいか。
この俺様のチームにいる以上は、どんな相手であろうと敗北の二文字は、
この俺様がゆるさねぇ」「イエサァーザイオウ総長ー」あの覇王の名前は
ザイオウ。このギャングのボスらしい。「てめぇらは、この終末世界で
何がしてぇー」「自由になりてぇー」「俺もー」「俺もだー」次から、次へと
男の声が重なり合う。その声に負けない程の声で、ザイオウは
話だす。「100年前。この地球に巨大な隕石が大量に落ちてきた。
そして、俺達人類が作り出した。街や文明がなくなった。そんな時代が
あったのかと、俺はガキの頃に死んだ母親から聞いていた。だから、
俺は決めたのさぁ。この終末世界を弱肉強食の世界に変えて、100年前の
かつての人類が輝いていた。あの世界よりも、充実した。強者だけの世界に
してみせる」「それって、簡単に言うと、世界征服の話って事?」
「誰だ。てめぇらは?」私とルンちゃんは、ギャングたちの前に姿を出した。
「ごめん。おじさんの話。長くなりそうだから、出てきちゃ(ペロッ)」可愛く
少し、ベロを出す。私と、真顔なルンちゃん。「ザイオウさん。あいつらです。
俺とアニキを負かしたのは」私達に指を指して、叫ぶ。小さい方の男。
それを聞いて、ザイオウが「ほぉーお嬢ちゃんたちが、俺様のチームの
カスどもを負かしたのは」自分のチームのメンバーをカスって呼ぶなんて
私は、絶対こんな大人にはならないと心に誓った。「何しに来た?」
ザイオウの問いに、私はポケットに忍ばせた物を取り出す。それを見た。
他の男たちは、臨戦大戦をとる。私は、ポケットから取り出した物を
ザイオウに見せる。「私達とババ抜きしない?」「ババ抜きだと・・・・・・」
一瞬の静寂を背中に背負い。私は、宣言する。「私達が勝ったら、あんた達が
奪った。食料を返してもらうから」そう言い。私とルンちゃんは、ギャングたちに
強い眼光をぶつける。終末世界で、行われる。仁義なき。ババ抜き。
対決が幕を開く。続く
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