第7話とある終末の日常1
「くそー。また、私の負けかよー」頭を思い切り、掻き乱し
私は、手元のカードをテーブルに叩きつける。「お嬢ちゃん。
これで、10敗目だよ~」からからと笑う。男の横で、クスッと
お上品に笑う。ルンちゃん。「本当に、弱いですね。ババ抜き」
ここは、かつて大きな商店街があった場所。ここで、私とルンちゃんは
出会い。友達になった。私達の思い出の場所。あの出会いから、私達は
暇な時に、お惣菜屋さんのヤンさんとキオさんと、ババ抜きをしている。
あぁ!!ちなみに、ヤンさんとキオさんとは、このかつての商店街にある
お惣菜屋さんの店員で、私に焼き鳥一本やるから、一緒にババ抜きを
しようと誘ってきた。男二人の名前である。まぁ、名前を知ったのも
つい、最近だけど。「それにしても、ルンさんはお強いねぇ~」
「さすがすぅ。姉さん」ついでに、ついでに、ヤンさんとキオさんは
ルンちゃんの事をやたらに崇めている。きっと、最初のあの一撃が
聞いたからだ。てか、私とルンちゃんは同い年ですけど。「何、この
待遇の差は・・・・・・」私のコップには、その辺で取ってきた。普通の
水。ルンちゃんのコップには、なにやら、高級感溢れる。ジュースが
注がれていた。「何で、ルンちゃんだけ。ジュースなの?」
「いや、これは勝者の得点です」「そんなのがあるの?」
「はい。十連勝すると、うちの店にあった。高級ぶどうジュースを
差し上げます」「そんな特典があるとは、私は知らないけど」
「はい。今日、思いついたですよ」何だよ。そんな特典があるなら
頑張っていたのにー。まぁ、私の実力じゃ無理だけど。落胆する
私に、ルンちゃんが自分の高級ぶどうジュースが入った。コップを
私に差し出す。「どうぞ」「えぇ?いいの?」私は、ルンちゃんの方に
顔を向けって、聞いてみる。「はい。そもそも、一人でおいしくいただくとは
思っていませんよ」なんて、イイ子なんだ。私は、目を潤ませ。差し出された。
コップを持ち。自分の口元に、ジュースを運ぶ。ゴクゴクと喉に高級ぶどう
ジュースを流し込み。「ぷはーおいしい」とどこかのCMのように、一言。
おいしいのを告げる。「はい。いただきました」棒読み風に、テレビCMの
監督をする。「おかわり」そう言い。飲み干したコップをヤンさんに差し出す。
すると、ヤンさんは、隣に座る。キオさんと顔を見合わせ。二人とも
困惑の表情で、私達に顔を向ける。「実は、それが最後の一本で・・・・・・」
「それは、どう言う事ですか?」疑問に思った。ルンちゃんが、質問をする。
その質問に、ヤンさんが答える。「実は、ここ最近、この辺りを縄張りに
している。ギャングがいまして・・・・・・」「ギャングですか?」ギャング。
終末世界になってから、ギャングと呼ばれる。ならず者が、現れ。
勝手に「ここは、俺達の縄張りだー」と騒ぐ奴らが出てきて、勝手に
そこを根城にしている。どこぞの世紀末の雑魚みたいな連中の事だ。
「そいつ等に、ここの食料や飲み物を根こそぎ盗れちゃいまして・・・・・・」
「だから、今お二人にだした。その水と高級ぶどうジュースは連中に
バレないようにして、取っておいた物なんですよ」「そんな貴重な物を
ババ抜きの景品で、私達に出すなんて・・・・・・」ルンちゃんは、何やら
申し訳ないと言わんばかりだった。私も、ルンちゃんと同じ気持ちだよ。
空のコップを持つ。手に力を加え。私は、思いっきり空のコップを机に
叩きつける。そして、水が入った。コップを持ち。一気に、飲み干す。
それから、私はその水が入った。コップも机に強く置き。服の袖で、口元を
拭く。そこで、私は口を開く。「ヤンさん。そいつらの根城って、ここから
近い?」「えっ?ここから30分の所だけど・・・・・・まさか」驚くヤンさんと
そんなヤンさんに驚く。キオさん。その二人の驚く顔を見ながら、ルンちゃん
が立ち上がる。「たった、二人じゃ危険だ」「大丈夫。私達強いから」
力こぶのポーズをする。私とその光景を真顔で、見つめる。ルンちゃん。
「先輩。どうします?」「どうするって・・・・・・二人にもしもの事があったら・・・・・・」「大丈夫だよ」「お嬢ちゃん」「だって、私には、ルンちゃんがいるから」
「はい。そうです」何の根拠もないが、そう言う。私に同調する。ルンちゃん。
「それに、食い物の恨みは怖いって、雑魚どもに思い知らせないと」
「はい。そうですね」「二人とも・・・・・・」少しの沈黙を受け。ヤンさんが、
立ち上がり。お店に向かって、走り出す。すぐに戻って来た。手に
持っていたのは。紙と鉛筆だ。それを机の上で、何かを書き出す。
「よし。ここに、奴らの住処がある。元は、近くにあった。ド大かい
スーパーマーケットだけどなぁ」そう言い。紙に書いた。簡略的な
地図を私に差し出す。「ありがとう」お礼を言い。私は、ルンちゃんの
方に顔を向ける。「じゃあ、行きますか」「えぇ、行きましょ」私とルンちゃんは
歩き出す。まるで、映画のワンシーンのように、歩き出す。この終末世界を
乱す。悪党どもを美少女二人が、成敗してくる。これが、私達の終末の
日常。とある一日の過ごし方である続く
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