第23話 刻印合成
エルフ族。人族の寿命を遥かに凌ぐ年月を生き、魔力の扱いに長ける世界樹の民。
容姿は美男美女が多く、長い耳と新緑のような肌色、そして絹糸のような髪を持つ。
エルフの里には神樹議会というものがあり、こちらでいう所のギルドの役目を果たしているらしい。
神樹議会にはギルドから親書を送るので到着の頃は話が通っているとのこと。
そして、僕は★4へ、エリーとユアンも★3へランクアップされた。
そして前回の依頼中にアントライオンの三体目を倒した時、レベルもアップしていたのだが、『刻印合成』なるものが追加された。
天啓さんに聞いたところ、獲得済みの刻印であれば合成可能で失敗もあるということ。また成功した場合は新しい刻印の文様が手に入ることを教えてくれた。
いくつかを試して成功したのは「風魔法」プラス「水魔法」で「雷魔法」が出来上がった。
法則としては多分「自然現象」に近いのだろう。風と水による雷雲で電荷がかかり雷が発生する仕組みだと思う。
そして不思議だったのが「炎魔法」と「水魔法」で「氷魔法」ができたのだ。
どうやら「炎魔法」を熱量を操る魔法として解釈し、術式の逆転的な事らしい。熱を加える行為を熱を奪われる側から見て水魔法に作用させたという事だろうか。なかなか面白い結果だと思った。
そんなに科学に詳しくはないが冷蔵庫の後ろが熱くなる原理的なものだろうか?
そして一番使えそうな成果が、「不滅の王冠」と「土魔法」で「土傀儡魔法」が出来上がったのだ。俗に言うゴーレムである。そして魔力操作によってはストーンゴーレムも可能だとわかった。
これは、かなり使えそうだ。
全ての文様を身体に彫り込み、3日程準備をさせてもらった。裸の状態ではすでに刺青だらけで本当に自分の身体なのかを疑うほどだ。
流石にドラゴンと対峙するには準備万端で挑みたい。
エリーも装備の強化を施し、ユアンも大量の魔械具を積み込んでいた。
いよいよ明日は、エルフの里へ出発だ。
……………………
「それじゃあ行こうか!」
満載の荷物と3人を乗せ、魔導車が起動した。
方角的には南にある山脈を越えた先の森の中心に向かっている。
交易が行われているだけあって道は悪くはない。
しかし隣町とはいっていたもののすでに2日ほど山道を走り続けている。
山脈を越えた頃、森が見えてきた。
「あれが、世界樹?」
森の中心にとてつもない大きさの樹が見えた。
「ちょっとした山くらいあるわね。」
山脈を抜け、森に向かう。
森に入ると少しづつ獣たちの姿を見かけるようになってきた。ただしサイズが尋常じゃない。
鹿のような見た目の獣が目の前を横切って行ったのだが体高が4メートルほどだろうか?背中は苔のようなものに覆われており、ツノは生垣ほどの木が生えている。
少し先には石の鱗を纏っているような熊がこちらを警戒して木々の間に消えていく。
「魔力が溢れている森なのね。生命感が凄いわ。」
「襲ってくる気配はないようだし、刺激しない程度のスピードで行こう。」
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