第8話 エリー ヴィンセント
「最近ちとこまっておっての。ジンはグールを知っておるかの?」
「まさか水源地の洞窟ですか?」
「おぉ、耳が早いのぉ。そうじゃ、その討伐及び水源地の調査をお願いしたい。」
「ウィッチズサパーで伺いました。皆、困っていると。僕がギルドを訪れた理由も少なからずその事案です。」
「それは話が早い。女将もお手柄じゃな。」
そして後ろに立つ髭面の戦士を見て続ける。
「この大男はサーバスという。こやつは一応副ギルド長をしておってのう、職務多忙を理由に弟子の指導がおろそかでな。サーバスの弟子もこの依頼に同行させたいのじゃ。サーバスよ、呼んできなさい。」
「はっ、承知致しました。」
すぐにサーバスさんが戻ってきた。
まさかの女の子と一緒に。。。
「エリー ヴィンセントと申します。以後お見知り置きを。」
碧い瞳の青髪少女はクリスタルの様な軽鎧を身に纏い、僕の目にはキラキラ映っていた。
「エリーは一応★2冒険者じゃ。グールとは相性の悪い剣士系じゃが伸び代は大いにあるはずでの。同行してもらえんじゃろか?」
「いや、僕こそ駆け出しで、助かります。ジン グレゴールと申します。こちらこそ宜しく頼みます。」
支度のために明日は使い、明後日に依頼実行となった。ギルドには修練場があると聞いたので伺ってみよう。修練場は街の外壁の外側らしい。
「こんなに広いのか。。」
野球場が四つは入りそうな広大な土地にいくつかのエリア分けがされていた。建物もちらほら外周に点在している。
その一角に地面にクレーターの様な跡がいくつもある場所があった。
「ここが魔法などの実射ヤードですよ。」
サーバスさんが案内までしてくれて助かる。
「よし、やるか。」
「思い切ってやってください。私は少し離れて見ていますね。」
サーバスさんが後方へ離れる。
思い切りか。とりあえず前方に人影はなし。
行くぞ。
左手の人差し指に集中し、魔力を込める。
手の前方に紅く光るお皿ほどの魔法陣が現れた。魔法陣中央にさくらんぼ程の光の玉が集まり、、、、
ズバーーーッ!!!!
爆風と爆炎が指先から閃光の如く放たれた!
「ぐぅむ、うおっー!」
サーバスさんもさらに後退りした。
[ジン様は特別な『祝福の契』を受けていますので、効果に加算値がございます]
天啓さんが昨日こんな事言っていたような気がする。
加算しすぎじゃないですか、コレ。
さっきまでクレーターだらけだったヤードは今では半円状に1キロ先くらいまで削られて、見る影もなく。コレ、怒られないか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます