第7話 天声の契
「らしい?」
「ふむ、まあ正確にはわからんと言う方が正しいかの。そもそも[天賦]には祝福の契と天声の契がある。」
「天声の契?」
「この世で[天賦]と言えばそのほとんどが天声の契じゃ。[天賦]自体授かる確率は100人に1人くらいかの。その中でも戦闘系、俗に言う冒険者などになれる天賦は半分くらいかの。」
「そうなんですね。」
衛兵に素通りさせてもらえた理由も頷ける。
「祝福の契においては神界の門を通った者だけじゃ。かなり少ないじゃろうの。その力ゆえどのギルド、国もその存在をなかなか明かそうとせん。故に「わからん」じゃな。」
「なるほど、ゼムギルド長は神さまの事も神界の門?の事もお詳しいんですね。」
「まあ、年の功かの、長く生きてきただけじゃよ。」
後で聞いたが150歳はゆうに超えているらしい。
「端的に話せば登録は先程済んでおる。我ギルドとしても大事じゃからの。そしてコレが預かっていた身分証じゃ。」
金縁のそれを受け取った。
星印が3つ新たに書き込まれている。
「この星は?」
「ランクの様なものじゃの。祝福の契は無条件で★2からじゃ。それだけ高能力ということじゃの。冒険者の指標じゃな。それだけではない。お主はその中でも戦闘系、しかも[彫師]。まあ★3が妥当じゃろう。」
「彫師って貴重なんですか?」
「別名[創造職]と呼ばれておる。」
「創造職?」
「そもそも魔法と呼ばれる物は触媒や詠唱を必要とする。彫師は体にその文様を刻み込むことで無詠唱で発動が可能なのじゃ。言うなれば己の体が触媒。鍛え方次第では可能性は底知れないんじゃ。」
女神チートなのだろうか。ありがとうございます。しかし女神ももう少し説明してくれても良くない?
「して早速だが、ひとつ仕事を頼みたいのじゃ。」
にこやかな顔でギルド長から依頼があった。
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