タイトルの知らない歌を口遊みここに駄菓子屋さんがあったの

正確な歌詞もタイトルも知らない歌がたくさんある。

本当に知らないのかもしれないし、忘れてしまったのかもしれない。


ただ、毎年秋になると独特のさみしげなかおりがして、むかし口遊んだ音が唇から流れていく。

小さいころから歌うことが好きだった。別に上手じゃなかったけれど。

わたしはアイドルになったけど、アイドルにならなかった、歌の好きだったひとはたくさんいるはずだ。

それは歌の持つ魅力なのか、小さいころは娯楽が少ないから必然的にそうなるのか、知らないけれど。


あの頃の目線の高さには、駄菓子屋の陳列があった。

秋の夜、暗闇を見つめて歩きながら、そんなことを思い出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る