竜宮城に行けなかった浦島太郎
第1話
ある日のことです。浦島太郎が海辺を散歩していると、3人の少年が亀を木の棒で殴っていじめていました。浦島太郎は彼らに近づくと、こう言いました。
「君たち。弱いものいじめはやめるんだ」
しかし、誰も浦島太郎の言葉に耳を貸そうとはしません。そこで、浦島太郎は持っていた拳銃を彼らに向けて発砲しました。赤い着物の少年は頭を撃たれ、青い着物の少年は喉を撃たれ、黄色い着物の少年は胸を撃たれ、死にました。
「大丈夫かい?」
彼らを殺したあと、浦島太郎は亀に向かってそう訊ねました。しかし亀は恐怖でぶるぶると震え、浦島太郎を無視して海に向かって歩き出しました。すると、浦島太郎は亀の前に立ち塞がりました。
「何か僕に言うことがあるんじゃないのか?」
「……」
亀が怖くて何も言えずに黙っていると、浦島太郎は失望したような口調でこう言いました。
「君は命の恩人に礼も言えない奴なんだな」
浦島太郎はそう言うと、亀を抱え家に帰りました。そして、鍋に水と昆布を入れ、火にかけ、鍋の水が沸騰すると、浦島太郎はその中に亀を放り込みました。
竜宮城に行けなかった浦島太郎 @hanashiro_himeka
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