冒険に至る経緯
第3話 これまでの歴史
聖府などという物が中央政権だったのはもう二百年も昔の事である。異種族の乱入に対応できなかった聖府は、宗教的権威をバックグラウンドにして一応は権威らしいものを保っていたはいたが、その実は単に位階を授けるだけの顕彰機関でしかない。
そうして群雄割拠の時代が始まった。最初の何十年かは地方駐屯部隊や私兵集団による血で血を洗う抗争が繰り広げられ、勝ち残った者たちが徐々に版図を広げたが、それもある程度の規模になると停滞とか手詰まりという名の偽りの平和が訪れた。
そういう地方豪族のひとつにトルニアという国がある。もちろん自称国家だが、その実はかつてのトルニア州の2/3ほどを支配しているだけである。しかしトルニアにはそれなりの地域支配根拠があった。
トルニアはかつて魔王を退けた勇者アランの一族を擁していた。この恥ずかしい宣伝文句は近年になって「異種族侵略者」と表現されるようになってはいたが、それでも勇者アランは極少人数で侵略勢と戦いこれを退けた事は事実であった。
そうして勇者アランの血統はセントリオ家としてトルニアの名家となり代を重ね、その神秘の力と名誉を受け継いでいたのであった。
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