第10話 賢者暗殺計画
「身分を隠していたことを謝罪ます。リュート・グレ、僕はサントスの賢者のオルランド・ベーカルです。急ぎあなたに尋ねたいことがあります。
もう知っていると思いますが、あなたの素性もバレていますし、あなたの前科は問いません。お店にも許可は取りました」
賢者様は、すごい剣幕だった。
「賢者様、落ち着いて下さい、敵の狙いはあなたです。あなたを亡き者にして次の賢者の座に就くつもりなのです」
剣聖が、賢者様をたしなめていた。
「僕がどうなろうと構いません!こんな事が僕の在任中に起きたことの方が問題なのです。やはり、銀の森の三賢人に助けを求めた方が良いのでは?
メルクリッド大賢者様の時代には、こんな問題など起きなかったのに」
賢者様は、すごく自分を責めておいでだ。
剣聖がワタシに紙とペンを渡してきた。
多分私の口がきけない為と、口が堅い男娼としてのプライドを守ってのことだろうが、今更な気もする。
ここにいるのは、神殿のトップの賢者様と賢者様を守る剣聖。
弟まで呼ばれては、話すしかないようだ。
「ロレンツォが君の部屋に入った日に来客が会ったね?」
ワタシは頷いた。
「君はそいつの言った日付を聞いたかい?」
ワタシは、右手と左手で二と四を出した。
二の月の四日、明後日のことだ。
「上等!!早く怪我を直せよ!!」
剣聖は、足取りも軽く部屋の外に出ていった。
「にーちゃん、俺が食わせてやるから、オアシスに帰ってろよ」
ワタシは、さっき剣聖が渡してくれた紙に書き殴って、シンヴァに渡した。
《ばーろー!!オアシスの貴重な水で泥団子作ったのがバレて学び舎送りにされたか!?》
「じゃあ、ねーちゃんトコ行く?四人も子供がいて、メチャ忙しいらしいぜ」
神殿と族長の伯父貴のいう事に従って結婚した姉は、幸せそうで何よりだ。
シンヴァの言葉には、思い切りそっぽをむいといたけど。
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