第2話 主様(ぬしさま)
朔月に訪れた客は、妙に暗い顔をしていた。
ワタシは、与えられた東の個室で
しばらく経って、店のおばさんに案内させられた
驚いたことに、神職の人だったようだ。
黙って立っておられるので、ベッドまで誘導して服を脱がせようとして思い切り拒否にあってしまった。
「あの?
ワタシの問いに
「そうですね……まだ……ショックから抜け出していないみたいです。 疲れてるのもあって……あなたは『受け』専門ですか?」
「
「辛くないですか!?」
綺麗な金髪を、肩の高さで切りそろえた美しい人だ。
碧い瞳は、潤んでいた。
「何かありましたか?大丈夫です。ここでの会話は、外には漏らしません。ワタシが拷問にあって死んでもです」
ワタシの決意の言葉に、やっと
「そうですね、『ミツバチの館』の男娼たちの口は堅い、それ故に繁盛しているのですから」
笑顔が、どこぞの彫刻から飛び出てきた人のようだ。
「それで、
「いえ、ちょっとありまして……勃ないんです……」
ワタシは、目を丸くした。
こんな綺麗な人が勃●障害!?
ワタシは、努めて自然に「触らせてください」と言ったが、
その代わりにサイドテーブルに立てかけてあったリュートを見つけて言ってきた。
「噂に聞いたことがありますよ、昔、リュートが得意な学生が銀の森の学び舎から出奔した話を……」
ワタシは、ドキリとした。
だが、極力顔には出さずに
「ワタシのリュートの音色は眠りを誘います。
そういうとわたしは、ベッドを
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