第6話 謝罪と応援
私と夢愛は出版社、提案した人たちと顔を合わせました。初めは、勿論ですが目が見えない人がこんなものを作れるのかと驚かれました。しかし、その人達はとてもいい人で、とても凄いものを作るんだね。と夢愛の物語を高く高く評価してくれました。
夢愛はとても嬉しそうでした。
それから色々と打ち合わせをして、書籍化までの段取りの説明を聞きました。
夢愛は其れを聞いているときも、真剣な顔で返ってからもパソコンと向き合っては物語を作っていました。私は、説明を聞いていても何のことだかよく分かりませんでしたが。
ただ、夢愛は真剣に打ち込めるほどのやりたいことに出会えたのだと思います。才能もあったと思いますが、夢愛がやりたいと言い出さなければ始まらなかったと思います。
夢愛は生まれてこの方、自分は障害者で他の人とは違う。と思ったことがないと話してくれました。私も一人の人間で、同じように考えたり話したりできる。ただ、目は見えないけれど見えないだけ。それに、だからこそいろんなものを真剣に聞いたり触れたりできるのだと言いました。
夢愛は私が思っている以上に強かったのです。
私の本当の思いは知らなかったと思います。
初めは、産まなきゃ良かったと思ってしまう自分もいたし、夢を応援できない自分もいたのです。そのことを、夢愛は知りません。もしかしたら察していたかも知れませんが、言わずにいました。
子供の頃、強くあたったこと……未だに謝れていません。きっと、謝っても許してもらえないと思います。それに、謝るより、今、夢愛の夢を応援するのが優先だと思います。
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