第4話

ある人、あらたしき衣して、御前おまへに侍りたるを見て、よみける


唐衣 着つつもみぢ葉 取り寄せて 錦のよそひ いみじとは言はじ


 ◇


「うわー……、ねえ、あの人さあ」

「待てまて。みなまで言うな」

「めぇーーーっちゃ、派手!」

「言うなってー」

「あくしゅみ~」

「だーかーらー」


 ◇


――――

唐衣:衣服に関する語(着る、衣、裁つ)や、それらと同音語にかかる枕詞

いみじ:ひっでぇ

本歌:唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばる着ぬる 旅をしぞ思ふ

●身体にしっくりくる唐衣みたいに、俺にぴったり馴染んだうちのカミさんが都にいるからさ、こんなとこまでやって来ちゃった旅だけど、しんみりしちゃうわけよ

(古今集 巻九 羈旅ほか 在原業平)


✽うちのカミさんと言えばコロンボ

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