99 吹雪の中の戦い
空の上で、リオンの乗った
お互いが生み出す風がぶつかり合って、周囲は嵐のようにめちゃくちゃに風が吹き荒れていた。その風の中、
(大丈夫、この傷は表面だけだ)
それでもリオンは、
そうやって翻弄しながら、
(どうやって攻撃する……どうやったら動きを止められる)
主張してくる足の痛みを頭の外に追いやって、リオンは
(
迫ってくる
吹雪で視界が悪い中、リオンは視線をちらと地上に向けた。そこではセティがセティの
(せめてセティくらいの武器があれば……)
リオンは目を細めてセティの様子を見て、またすぐに
(そうか、武器か……)
リオンはもう一度、地上を見た。白い雪の上で戦う、黒い染みのような二冊。その姿を捉えて、頭の中で動きを組み立てる。
◆
セティはセティの
さっきまでは
吹雪で視界が悪くなっているのも、足元が雪で動きにくいのも、力を出しきれない理由だった。もっとも、それは
その二冊の輪郭が、吹雪の中でぼんやりと光って曖昧になる。限界が近いことは、お互いにわかっていた。それでも、攻撃する手を止めることはできない。
セティが踏み出して槍を突き出せば
真っ黒い髪に白い雪の塊がくっついては、動きに合わせて散ってゆく。
不意に、風が強くなって、二冊は膝を曲げて体を沈めた。吹き付ける雪に腕で顔を覆う。動きを止めた二冊の頭上すれすれを
「セティ! お前が
リオンの声に、セティは顔をあげる。
低く飛ぶ
(つまり、
きっと自分ならできると、そう感じた。
吹雪が強くなる。
セティは雪を蹴って、その
地上へ向かって滑空してくる
「
トドメとばかりに、槍を通して雷を流し込む。
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