第3話 タエ 対 ドラギアス

 ガーロは震えていた。

「おまえたちが、魔将の補佐であった者どもか?」

「ささ、さようで・・・」

 声を聴いただけで、その威圧に心臓が止まりそうだった。

 そのよこでダリは、白目をむいて自失している。

 『大魔将』ドラギアスは、平然とした顔をしていたが、そこにいるだけですさまじい魔偉をまき散らしていた。

 ドラギアスの軍がいる森の一角だけが、その空気の温度を下げ、風が巻き、雲がわいている。

 大魔将は、魔軍を統べる魔将の長に位置し、高位の大魔族のことである。ガーロは会うどころか、姿を見たこともない。

 ドラギアスの座を囲んで、魔将クラスの魔族がみっしりとかしらを揃えて居並び、ガーロたちを見下ろしていた。

「それで、その巨獣とやらは、どのように強いのだ? さほど魔力に秀でているのか?」

ドラギアスは、その隆々とした筋肉をうごめかして、席のうえで座り直した。青黒いうろこに覆われたからだは腰のした以外ほとんど着衣もない。

「い、いいえ、その・・・、よくは分からな・・・」

 大魔将のよこに控えている三メートルほどもあるジェネラル・オークが、手にした巨大な鋳鉄のを、がちがちと打ち鳴らしている。ひへへと笑う口元から、大量のよだれが、その黒革のボンテージ衣装を濡らしている。大魔将の意に沿わぬことがあれば、あれで体の骨を一本ずつ抜き取られて殺されるのだ。

「ひい」

「ありていに申せ。魔将が力負けしたというのであろう」

 ガーロは、震えるというか、ゼンマイ仕掛けの人形のようにはげしく振動しはじめた。

「そ、あ・・・、ち、力は、そ、そのグラノドンさまを踏みつぶすほどで、ですが、だ、だ、大魔将さまには及びますまい!」平伏して、地にひたいを擦りつけた。

「魔力でも勝てなかったと聞くが?」

「か、かか、ま、魔力や、神聖力はあるようには、いいえ、ないようでした! まったく感じられませんでした! ヒュプノの力で操れないかと、やろうといたしましたが・・・、霊力が強いようで、それはなせず、考えていることはだだもれでしたが・・・、あの、その、解るような言葉はなにひとつ・・・」

「魔力はなさそうだとの報告はゲラルの軍から聞いておるが。なるほど? 大きく、力が強いと、魔力もなく、考えは獣のままであると。ただ、それが、かつて見ぬほど巨大であると、つまりはそういうことなのか?」

「う、ま・・・、おおむね、さようでございます」

 巨獣が考えていることは、獣らしくはなかったが、その経緯をつまびらかに話しはできない。

 だめだ、話せばきっと殺される。

 魔軍の魔将クラスはみな貴族階級で、プライドが異常に高く、貴族をばかにしたような話を、たとえ他人ごとであろうが口にしようものなら、すぐに首が飛ぶのが常識だ。

 ドラギアスは、席から立った。巨大なしっぽが座席のうしろから従うようにうねり、そのうろこが、濡れたつやをぬらぬらと光らせた。

 その場は、戦車のなかであった。魔将ゲラルが乗っていたものよりさらに巨大な戦車で、車というより、陸を走る屋敷のようであった。

「うははは、人間どもめが、どこからどう呼び寄せたか知らぬが、巨大でさえあれば我らに対抗できうると思うてか。おもしろい! やってみるがよいわ!」

 ガーロは、おそるおそる目をあげて見た。

 ドラギアスの全身のうろこが粟立ち、禍々しい瘴気が振りまかれる。周囲の魔力を吸収して、そのすがたがみるみる膨れ上がる。

 大魔将ドラギアスは竜魔族である。ああ、まさか。巨大な閻竜イビル・ドラゴンに変身できる伝説の竜魔族は、この数千年生まれ出ていないと聞く。

 それがまさか、いま。

「ほへ〰〰」正気に戻ったダリが、憧憬どうけいに目を輝かせている。

「おのれたち! 我に着き従ってまいれ! その獣、このわしが飼いならしてみせようぞ!」



「あ、またイケメンきた」

 あ、また、そういう・・・。

 魔術師リオラこと、仙太郎は、べつなイケメンを連れてきた。かれは、二十人ほどの騎馬部隊を引き連れてた。

 甲冑姿で兜をよこに抱え、騎馬にまたがってて、オーランド・ブルームとか、エルフ的な? 髪が銀色で、顔はつくりもののように美しくて、細面だが、首は以外に太かったりして。

 それは置いとけ。

「なにやってたのよ!」

「や〰〰、このひとたちと待ち合わせ」

 しばらく放置されてて、わたしも少し頭が冷えてきた。いろいろ考えたが、わたしが考えてもどうにもならんことだけはわかった。

「で、なんとかするって、あなた言ったけど、どうするの? このひとたちは?」

「わたしは、エランジルド王国騎士団、騎士ランスエリス」

 そのイケメン騎士が進み出た。すげぇ、光ってる。

「こちらは、第一王女エリクシール姫だ。あなたが、わたしたちの魔族との戦いに、その身を挺して助勢していただいたことに、わたしたちはたいへん感謝している!」

 姫もキタ〰〰。AIかよって美少女だ。うす緑色の髪って、どうなってるのよ? 染めたりとかしないんだよね?

「ありがとうございます!」美少女は鈴の音のような声で言った。背景に花が散っているぞ。

 うわ、すげえ美男美女だな。ラヴなのかな? ラヴなのか?

「え、ああ、うん」なんと応えていいか分からない。

「じつは、あなたは依り代となってそのからだになるまえは、人間の女性だと彼から聞いたのだが? そうなのですか?」騎士が寄ってきた。

 リオラに聞いた? だとすると、彼はわたしが女だということは知っていたのか? 名前は知らなかったのに? いったい、どこまで、なにをどう知ってるんだ?

「う、あ、そうだけど」

「お名前をうかがっても?」

 ああ、どうしよう。

「ええと、タエ・・・だけど」

 い、言ってしまった。パンツはいてないのに。

「タエか、美しい名前ですね」

 デレて、思わず鼻息がスコーっともれた。

 生まれてこのかた、美しい名前だなどといわれたことなんかない。あるわけない。母親によると、私が生まれたころ、大正ドラマのヒロインが好きすぎて、名前をこれにしてしまったようで、小さいとき、名前でどれほどイジられたかは言うまでもないだろう。母親ですら、あとで熱が冷めたんだろう、ヤッちまった感のある説明だったのは憶えてる。

 デレている場合じゃない。

 あんのじょう、リオラはきょとんとしていた。やっぱり私のことは知らないんだな。まあいい。

 姫がその細い指を胸まえで組んで、懇願の顔でわたしを見た。

「わたしたちは、魔族と戦うためにきました! いっしょに戦っていただけませんか! あなたが、その身を犠牲にしてそのすがたになったと聞きました! わたしたちはあなたも救える手段を探します! どうか、わたしたちといっしょに!」

「あ〰〰、それなんだけどさ」

 リオラが頭を掻いた。

「きみ、魔王と戦おう。それで、〰〰」

「え?」

「まず、魔王と戦って・・・」

「いや、戦うくだりじゃなくて! そのあと!」

「ああ、それで人間になる」

「そ、そう、なれるの‼」

「言ったよね。もとの体になって、もとの世界に戻ることはもうできない〰〰。だけど、ここは魔法の世界だ。まえの世界でできなかったことだってできる。つまり、

「な」

 なんだとう‼

「そんな・・・、そんなことができるの⁉」

 よもや、よもやだ。

 ゴ〇ラでなく、自由に人間になれたら、イケメンと辺境の村でスローライフも嫁じゃない。いや、嫁にならなくてもいい、夢じゃない。

 なにかあってもゴジ〇なら無敵?

 鼻息が。

「なに考えてるのか分る気がするけど、自由に変身はムリだからね〰〰」

「あ、そうなの」

 チートでなくてもいい。人間の娘になれるなら。

「で、できるだけ、美女で」

「きみさあ、そんな簡単な話じゃないよ〰〰」リオラはため息をついた。

 その瞬間、地響きがした。

 騎馬隊の馬がいなないた。歩を乱して混乱したようすになった。

「ま、また魔族の軍か!?」

 彼らの目線では見えないんだろう。顔をあげたわたしは、森の向こうにふたたび現れた魔軍のすがたを見た。

「ああ、そうみたい・・・」



 大魔将ドラギアスの頭上には、巨大な黒雲がうずを巻いていた。帯電した大気の細い稲妻がそこここに走り、おどろおどろしい雷鳴が、地の底から響くように低く鳴っていた。

「おお〰〰」

 ガーロは感嘆の声をもらした。

 ドラギアスはすでに輿の屋根を打ち割って巨大化し、なおも膨れ上がっていた。広範囲の魔力が、うず潮のようにその体に吸い落されてゆく。周囲にいた数万の低級魔族が、魔力を吸いつくされて倒れ伏してゆく。

 周囲にいる上級魔族の魔威のなかにいなければ、ガーロたちとて同じ運命であったにちがいなかった。大気には魔気が充満し、真空にちかく気圧が下がり、氷となった大気に、ガーロとダリは、両肩を抱えて震えていた。

 ドラギアスは全神経を集中していた。

 うはは!

 やった、やったぞ! ついに我の隠していた力を魔国全軍に示してやるときがきた!

 すべてはこのときのため、雌伏のときは終わりだ!

 竜魔族のながい歴史のなかでも、巨大な真竜ドラゴンに変身できたものは数えるほどしかいない。それには莫大な魔力と、それを制御できる才がなければならない。巨大な魔力の制御は複雑、かつ繊細で、数千年、竜魔族の誰もなしえなかったのだ。

 みな、ひれ伏すがいい!

 ついにそれを為した我は、一族の英雄と称えられる者だ。いずれは魔軍王に列せられ、いや、次期魔王の候補ともなるであろう。

 地を揺らして立ち上がったドラギアスの身長は、百数十メートルに達する。それは、伝説の破壊魔、閻竜イビル・ドラゴンの禍々しいすがたであった。


 タエは、その敵に向かって前進していた。

 牧草地とおぼしき起伏の草地を、魔族の森にむかって進んでいた。

 その横を、騎馬の一群が並走する。

 リオラが声を上げている。

「あれだ! 変身! 見ただろ! じゅうぶんな魔力があれば変身が可能なんだ! 人型から竜に、そして竜から人にだよ!」

 なるほど。

 たしかに、竜が人型になるのは異世界モノのお約束だ。そうだな、説得力がある。いや、そうか?

「魔力って、どうやれば得られるの?」

「なみの魔力じゃダメなんだ。魔王が持っている魔力を奪うんだ〰〰!」

「奪うって、倒せってこと?」

「倒すだけじゃダメだよ。魔王が持っている『魔神の王勺』を奪えばいいんだ。それに聖魔石が埋まってる。それを使えば、きみだって変身できる! ほかに手段はないよ〰〰!」

 そうか、そうなのか。

 信じていいのか。よくわからない。コイツ怪しいし。そもそも、なんであんたはそれを知ってるんだ? 

 なんで仙太郎がリオラなのかも不明? だし、なんであんたが魔術師なのかも言ってないし、そもそも、なんでわたしがコレなのかも教えてもらってないわけだ。だけど、ほかに信じられるものも、頼れるものもない。

 ええい、やるしかないのか。そうなのか。

 やるか! どうやるんだ?

「あ、それから、言っとくけど、聖魔石を手に入れないと、ダメだから!」

「は?」

「それを過ぎると、そのからだに魂が定着しちゃうんだ。急いでね〰〰」

「はあ?」

 はああああああ!

「聞いてないんですけどぉ!」

 そりゃ、つまり、二十四時間以内に魔王を倒せってこと? マジで?

「あ、もう三時間くらいたってるから、二十一時間ね〰〰」

 マジかよ!


 騎士ランスエリスは騎士の騎馬隊を率いて、前進する巨獣に並走していた。

 巨獣と、魔術師リオラは言葉を交わしている。

 巨獣のほとばしる霊力により、その思考がだだもれであったが、ランスエリスには断片的にしか伝わらない。言葉として分るのは一部で、ほとんどは感情のほとばしりのようなものとして捉えられる。おそらく、リオラや、王族であるエリクシール姫など、霊力の高い人間には、その言葉が明瞭に伝わっているのであろう。

「殺さなきゃならないの?」巨獣が訊いている。

「何言ってんのさ? だって、さっきもいっぱい踏みつぶしたじゃないさ〰〰」

「そ、そうだけどさ・・・」

 そのうち震える心情が伝わってくる。

 この娘は、戦いへの怖さよりも、虐げることを怖がっているのか。

 巨獣の実体は、まだ少女ともいえる娘なのだ。ランスエリスは、それを再認識した。

 おそらくは、こうしたことがなければ、清廉な、純真無垢な、心やさしい娘であったに違いないのだ。

「だいじょうぶです!」娘に声をかけた。

「魔族は、残忍におおくの人間を殺してきた! そればかりか、同胞をもむことなく殺して顧みない! 神とたもとを分かった邪悪の化身です! あなたが気に病むことはない!」

「そうです! あなたは神がお遣わにしになった救いの手! それは神がお許しになります!」姫が擁護した。

 岩のようなその巨獣の顔は、表情などあらわれぬものであったが、ちょっと気配をくもらせたように見えた。

「ありがとう。わかったわ、わたし、行くわね」

 巨獣は、いやその娘は、ランスエリスたち騎馬隊をその場に残して、勢いよく走り出した。

 ランスエリスは、単騎でそのあとを追った。

 巨獣と、ランスエリスだけで並走した。

 伝えなければ。

「だいじょうぶです!」叫んだ。

 巨獣が、彼のほうを見て、そして目をそらした。岩のごとき皮膚にはなんの色も現れない。だが、不安を感じているに違いないのだ。

「わたしが! かならず、あなたを人間にします! 純粋なあなたを取り戻してあげます!」

 そう言った。

 巨獣ははにかんだように見えたが、錯覚かもしれない。

 その走る速度が上がって、ランスエリスはその場にとり残される。

 届かない言葉を、ランスエリスは心の中で叫んだ。

 だいじょうぶです。

 平気ですよ。

 パンツはいてなくても。



 ドラギアスは、その巨獣のすがたを見た。

 たしかに大きい。巨大化したドラギアスは魔族の歴史のなかでも類を見ない巨体であったが、それに倍する大きさだ。だが、それに臆してはいなかった。

 この巨体は、力の大きさのためではない、そこに内包した、いかなる魔族も持ちえない莫大な魔力の集積を可能にするためだ。

 ドラギアスが口を顎が裂けるかとみえるほど開ける。その咥内に巨大な光体が生まれていた。周囲の魔素が共鳴して空間全体が振動する。その頭蓋を囲んで巨大な光輪が生じ、魔方陣に変ずる。

 ガーロと、ダリも、周囲の高位魔族たちも、目を見開いてそれを見ていた。このような高高位の破壊魔力はだれも見たことはない。いや、数千年、だれひとり見てはいない。

 放たれた光球は、黒い魔力波を、炎のようにまとわらせ、周囲に稲妻をまき散らしながら巨獣に向けて飛翔した。

「おお、すばらしい! あれは・・・、あれは、伝説のドラゴン・ブレス!」

 その軌道の周囲にある魔族も、森も、瞬時に火炎に吞まれる。

 想像を絶するすさまじい破壊魔力であった。

「消え去るがよい!」ドラギアスは吠えた。


 タエは、前足をちょっと振った。

「あ、あぶなっ」

 飛んできたそれを払った。

 パコっと音がして、ドラゴン・ブレスはその手元から跳ね返って、むこうのほうへ飛んだ。


「は?」

 ガーロたちは、呆然とした。

 それは丘を越え、海岸を超えて、はるか洋上に消え、そして、そのさきで巨大な火柱を上げて爆裂した。高さ数キロぐらいはありそうな、きのこ雲が盛り上がる。

 かなり遅れて爆音が轟き、さらに遅れて強い爆風がその場を吹きさらった。

「ど、ドラ・・・、ブレスが・・・」

「あ、あれ?」ダリが震える声で指さす。

 その差す先で、巨獣が走りだしていた。


 

 ドラギアスは、それでもまだ動じてはいなかった。

「ははは、よもや、わがブレスを破るとは、や、やるな! だが、大きいだけではこの我を凌駕することはできぬぞ!」

 タエは走っていた。 

 タエの足は遅かった。五〇メートル走約三〇秒の記録は、尋常ではない遅さであった。時速にして六キロ。しかし、体長二三〇倍以上になったタエの足は、おなじく二三〇倍、およそ時速一四〇〇キロに達していた。

 ドバコーンとでかい音がして、突進したタエの腹がドラギアスに激突した。

「へブう!」

 ドラギアスはぐるぐると回りながら消し飛んで、森の向こうの山肌に激突し、岩山を突き崩してめりこんだ。

 地響きが轟いて、山々にこだました。


 そのようすを、ランスエリスたちは、ふたたび呆然と見ていた。

 リオラが笑いながら、くるくると回っている。

「あはは。スゲー。ムチャクチャだぁ。物理学ムシだ〰〰。そんなに早く走れるわけないじゃん〰〰。はは、そもそも、そんな巨体からして理屈ムシか〰〰。まあそうだな〰〰」


 だが、まだまだドラギアスは動じてはいなかった。

「や、やりおるな・・・。だが、この我はほかの者のごとくに踏みつぶすことは叶わぬぞ! この我の大きさは・・・」

 タエは跳んだ。

 タエのジャンプ力は貧弱であった。走り高跳び約五〇センチの記録は、常軌をいっした低さであった。しかし、二三〇倍になったそれは、高さ百十五メートルに達していた。


 グニュっと。

 ドラギアスは頭部を踏まれ、載せられた三〇万トンを超える体重で、顔面から地面にめり込んだ。

「ぶふべへっ!」


 だが、まだまだドラギアスは動じていなかった。

「や、やる・・・な、と・・・」

 ドラギアスの集中が切れた。

 いかん、魔力の制御が。

 そのからだから魔力がいっきに抜けて、その音が腰のあたりから鳴った。


 ぷううっ


「ぐむっ」ダリが吹き出しそうになった口を押えて、ガーロのほうを向いた。

 ガーロも口を押えていた。

 こっちを見るなダリ! 言いたかったが、ガーロも口を離せない。

「あ、あれ・・・、なんか、オナ・・・」

 い、言うな! 言ってはならん! ダリ!

 言えば殺される!

 普通ならこんなことで笑わない。神経すり減ってるときはヤバい。

ほんとにヤバい。箸がころげても、爆笑してしまうってアレだ。

「ドラギアスさま、オナ・・・」ダリは涙がを流して、じたばたした。

 よせ! 死ぬぞ!

 なんでコイツ、思ったことをすぐ口にしやがって!

 いかん、息が、死ぬ。

 そのとき。


 プッス〰〰ん

 残った最後の魔力が抜けた。


「ブフウッッ!!」ダリが鼻水を吹いた。

「おぶふっう!!」ガーロも吹いた。


 大魔将ドラギアスは圧死した。

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