とあるシタ彼女の独白

 私が幼馴染である彼と付き合い始めたのは中学二年生の頃だった、あっちからの告白で。

 ちょうど私の友人達が次々と彼氏を作り始めて焦っていた私は別に好きでもない幼馴染の告白を受け入れ、付き合い始めた。


 最初はベッタリでウザかったけど私のお願いは何でも聞いてくれるし顔はそこそこ良かったから、友人達がイケメン彼氏良いな~と羨ましがったから我慢して付き合っていた、けど、高校に入学して幼馴染よりもイケメンな彼、翔太と会う。

 翔太は学校一のイケメンで誰もが狙っていたし彼女もいた。だけど、彼は私を選んだ。


「彼女がヤラせてくれないんだよね」


 それを聞いた私はアプローチ開始。それから数日後にはラブホに行き、そこで私は初めてを翔太に捧げた。

 お互いに彼氏彼女持ちだけど、それがスパイスになって盛り上がり、私と翔太は関係を続けた。

 だけど、それから数ヶ月経ったある日。


――別れよう。


 幼馴染から私と翔太がラブホから出てくる写真を添付して一言そうラインに送ってきたのだ。

 付き合ってる時から幼馴染は愛してなかったけど格下の幼馴染からフラれたという事実はムカついたから、それを翔太に話した。


「それだったら、ソイツを陥れようぜ。お前、美人だしクラスでもそこそこ人気あるだろ? 嘘泣きしてレイプされたって言えば、男連中はお前の事を信じるよ。それに超人気者の俺が加勢すれば間違いなく学校の奴等ほぼ全員が味方しくれるよ」


 と言ってくれたから、私は翌日、それを実行をしようとしたが。


 翌日、学校で待っていたのは私と翔太を汚物でも見るかのような冷たい視線だった。


 その日は一日中、友達達も私に気がある男子達も私達を避けた。

 どうしてこうなってるのか解らなかった私達に。


「浮気してるからこうなるのよ」


 バカにするように翔太の彼女が全てを話した。


 この状況を作ったのはどうやら翔太の彼女らしい。

 翔太の彼女は学校一の美少女と呼ばれる人気者、そんな人気者の彼女と付き合ってるくせに浮気した翔太とその相手である私は今の状況になっても仕方ないと言われ、アンタがヤラせてあげないのがいけないんじゃないと言ったら。


「コッチは避妊してって言ってるのに面倒くさいとか言って拒否するからよ」

「翔太は責任持つって言ってたわよ!!」

「貴女、知ってる? 翔太の家って産婦人科病院なのよね。つまり責任=金出すから俺の父親が運営してる病院で中絶しろって意味よ」

「え・・・・・・?」

「それに貴女だけじゃないよ、浮気相手。たっくさん居るの。それを知ってからか、嫌悪感で益々拒否するようになったわ。バカな浮気男に大事な初めてをあげてたまるか!」


 半ば叫ぶように翔太の彼女はそう言うと私達の前から去って行った。


 それから、私と翔太、私以外の翔太の浮気相手達はラブホに行ってる事がバレて停学。その後、翔太は高校を退学した。事の次第を知った両親が激怒し、厳しい事で有名な寄宿学校に入学させられたらしい。

 私はというと停学開けても高校に行かず、家に引き籠もっている。

 両親は私を腫れ物扱い、妹は私を居ない者として扱い、家に居場所がないが行く場所もないので引き籠もるしかない。

 ある日、妹が友達を連れて来ると言って、母から追い出されるように家を出た。

 フラフラと人目がない場所を避けて歩いていると、ふと目の前の豪邸が目に入った。周りからS邸と呼ばれている豪邸だ。

 ただボーと屋敷を見ていたら、二階の窓から複数の男女が私を見て、おいでと手招きしていた。


――あの人達なら私の気持ちを解ってくれるかもしれない。


 私は吸い込まれるように屋敷へと足を踏み入れた。

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