空を眺めて

鈴乱

第1話



 空をなんとなく見上げていた。


 遠く離れたあの人を、また思い出した。


『今頃、何をしているのかな』


 共にいた頃には、ちっとも思うことのなかった想いが、独りになってからというものあふれ出してくるようになった。


『元気で、いてくれるといいな』


 あの人と別れた頃から季節が巡って、風が少し冷たくなってきた。


 とにかく、元気にしてくれていればいい。



 今はどうにも手が出せないし、連絡もとれないけれど、あの人の元気を願うくらいは許されるだろう。



 

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空を眺めて 鈴乱 @sorazome

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