さぁ帰るか
ついに今日。実家に帰る。今日は金曜日だから学校終わって家で準備してその後電車で。
そんな事考えてたら気づけば講義が終わっていた。「なんか今日楽しそうだな。彼女でもできた?」和人が聞いてくる。「だったらもっともっとはしゃいでるよ」そう適当に流す。
「三連休はどうすんの?」和人はニコニコしながら聞いてくる。
「ただ実家に帰るだけ。強いて言うなら高校の友達に会う。あ、男な」そう言うと和人は少しつまらなさそうに「なーんだ、男か。」と
「男で悪かったな。」そう言いながら俺は荷物をまとめて席を立つ。
「じゃ、俺家帰る。」そう言いながら俺はキャンパス出る。やっぱり人は多い。どこに行っても人だらけだ。「都会は疲れるな。」そう言いながら家までの帰り道、鼻歌を歌いながら俺は自転車を漕ぐ。
家に着いた時、俺はふと思った。
「土日何しよう」三連休の中で予定があるのは月曜日だけだ。
「そうだ。久しぶりにあいつと会うか」
あいつ。とは中学の頃の友達 「唯一」も付けておこう。俺の相談相手であり雑談相手の 島田大輔 だ。俺は彼を「大ちゃん」と呼ぶ。
久しぶりにトーク画面を開き過去の会話を振り返る。最後に話したのは半年も前だ。
「今夜会お。」
「いいよ。」
これだけの会話。 その前も
「13時からカラオケ行こ」
「ええで。」
こんな会話しかしないけど実際に会ってなんでも話す仲だ。
そして今回も
「久しぶり明日昼から食べいこ。」そして返信は
「うっす。ええで。」
さすがだ。俺は大ちゃんのいつでも会ってくれる部分に完全に信頼を置いている。
よし。これで明日の予定は埋めることが出来た。そんな楽しみを手に入れたところで俺は準備完了のリュックを手に持つ。「まぁまぁな量だな。」実家にある自分のものを全て持ってきてしまったせいで持って帰るものは必然的に多くなる。「ま、いいか」そんな適当な考えを持ち家を出たが完全な間違いだった。
「やべぇ潰れる。。。」俺は地元に帰る楽しみからか都会のど真ん中にいることを忘れていた。退勤時間に被り、満員電車の中大きなリュックを持つ俺は周りから白い目を向けられる。
「すいません。」そう心に思いながらもあるものは仕方ない。俺は最低限みんなに迷惑がかからないようバッグを胸の前に置き時間が過ぎるのを待った。
2時間近く過ぎた頃、俺はやっと座ることが出来た。完全に人に酔い俺は疲れ切っていた。
「まじで都会はもう結構。」
完全に疲れきった俺は眠りに落ちた。
起きた時には最寄り駅の2つ前だった。外を見渡すと暗い闇に包まれており所々にスーパーの灯りが見える程度だった。「帰ってきた」そう感じた。都会では電車の中から見える景色は人だけだ。それか高い高いビルだけか。
最寄り駅に着いた時には22時を回っていた。
目の前の商店街はピーク時間のはずだがとても少なく見えた。「これが都会の弊害か…」
そんなことを思いながらタクシーを捕まえた。
「お客さん。お客さん!」気がつくと寝ていたらしい。10分もないタクシーの中でだ。「相当疲れてたんですね」そう言いながらメーターに映された2300円を指さされる。「わぁ、思ったより取られる。そう思いながらちょうどを払う」「はい。ありがとー」「ありがとうございました。」そう言いタクシーを降りると実家の前だ。「帰ってきたー!」半年ぶりの実家に期待を膨らましながらドアノブを握る。
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