再会に向けて

「そういえば、最近インスタで居酒屋行ってる人のストーリー流れて来た」

俺が突然居酒屋の話をしたからだろう。イッチーは 「は?」とだけ送ってきた。

「高校の友達が居酒屋行ったのストーリーに上げててさ、アルバイトさんと仲良くツーショットしてたんだよ。」

イッチーは心底どうでも良さそうに「あっそー」とだけ送り返してきた。

「それが女の子でさ」こう言ってもミムとは違いイッチーは食いつかない

「だからなんだよ。僕は行かないよ。」

さすがイッチーと言った感じだ。

「はぁ、そっかー。残念だな。イッチーなら中学から一緒の伊藤さん わかると思ったんだけど」 「え?」

とてつもない速さの食いつきだ。

「伊藤さん居酒屋でバイトしてんの?どこの?」先程までとはまるで別人のような食いつきにこちらが怯む。

「あ、いや別に。そこに月曜日みんなで食いながら話しに行こうかと思って。ほら、カラオケなんて言ったら歌うことに意識持っていかれて勿体ないじゃん」 「行く」

早い。とにかく返信が早い。

俺が送ると同時に返ってくる。

「あーでも、火曜日学校休まんと行けれんで?夜行くわけやし」「いい」

ちょっと俺も面白くなり遊んでみる。

こいつはわかりやすい。超がつくほど。

「よっし!」

俺の完璧なまでの作戦勝ちだ。

俺は早速グループLINEを開き打ち込む。

「俺とイッチーは月曜日でも参加します。」

そして約束通りこちらも伝える。

「俺の行ってみたい居酒屋で『稀武士』ってお店あるけどみんなで行かない?」

後はニノとミムの返信を待つだけだ。

「行こいこ!」先に返信があったのはやはりニノだ。基本的な付き合いが悪くないことは知っている。ただ、彼女を優先しすぎるだけで。

それから1時間後にミムから返信が来た。

「そこで女の子と出会える?」

「はぁ。」とため息が出る、女の子がいたとしても

「お前に興味持つわけねーよ」

「夢の見すぎ」

「お前など誰も眼中に無い」

と言ってやりたかったが、ここで気分を悪くして不参加になられても困るので

「いるんちゃうか。居酒屋は出会いの場だろ」

とだけ送っておいた。

まぁ、いたとしても席に呼びつけたらぶん殴るけど(彼女持ちがいる為)

数分後にミムから返信があった

「おっしゃ!なら行く。絶対行く。」

こいつ馬鹿だなと思う。多分女の子前にして1番黙るのお前なのに…

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