久しぶりの

5時間目が終了した18時俺は久々にグループLINEを開き通話を始める。退勤ラッシュの時間を避けるための時間つぶしの為だ。グループの相手は高校からの親友。名前とキャラは


イケメンなのに女子に興味のなさそうな市橋勇気 通称「イッチー」


彼女持ちで時折イチャイチャを見せつけてくる二ノ宮裕人 通称 「ニノ」


俺たち男子だけだとはしゃいで馬鹿するのに女子が近づくと途端に黙る三村大智 通称 「ミム」


あ、俺は平良将司で通称「平ちゃん」


みんなそれぞれ大学に進学し、3年近く経つが未だに不定期で通話が開かれる。

と言っても開くのはほとんど俺であってミムに至っては参加することさえ珍しい。


通話を初めて5分が経った頃ニノが電話に出てきた。「やっほー元気してる?」

「高校の頃から変わらない常に元気そうな奴だ」

「んー。元気は微妙、そろそろ都会出たい。」

そう言う俺に対して

「わっかるぅー都会ってめんどいよね」

と、全然楽しそうな元気のいい返事が帰ってくる。

「僕は都会に出たいよ…」

この声はイッチーだ。

「いつから聞いてたんだよ」俺は突っ込む

「え、開いてすぐ。平ちゃんが何も話しかけてくれないから。」

「ごめん。ほんとに気づかなかった。」

イッチーは静かなタイプなので気づかないことは多々ある。

「今回もミムだけ参加しねーのかよ」

いつもの慣れたことだ。「あいつ、何してんだろーな。彼女でも作ってんのかな。」と、冗談を言ってみる。

「無理だよ。あいつ女の子前にすると一言も喋れないんだから。」と、すかさずニノが突っ込む。

「あいつ、ほんとに女の子に弱いよな。女子の前だとただの陰キャだもん。」イッチーのトドメの一撃さえも飛ぶ。

「お前らミムが居ないからって…」

画面を見て言葉が止まる。

「あぁ??うるせーよ」その声は紛れもないミムだった。

「え、いつから聞いてた」さっき似たようなことをイッチーにも聞いたが今度は少し緊張感が走る。

「お前らが俺の悪口言ったとこから。」

「わぁお」ニノはまるで他人事、といった様子だ。

「ミムが入ってくるなんて珍しいな。久々に揃ったじゃん」話を変えようと俺は頑張るがミムはやはり納得がいってない様子だ。


「あ、やべ、僕そろそろ電車乗るから。」イッチーが抜ける。

「あー。俺も彼女から電話が…」ニノが抜ける。

「あ、俺も友達に呼ばれたから行ってくるわ」ミムが抜ける。

「お前ら自由すぎだろ」そんな独り言を呟きながら俺は1人残ったグループ通話を切る。

「あ、目的だった三連休の話し忘れてた。」

つい4人揃ったことにテンションが上がり目的を忘れてしまった。

「ま、今度でいっか 」

俺は久々に4人が、一瞬ではあるが揃ったことに満足しながら退勤ピークを過ぎたにもかかわらず、座る余裕もない満員の電車にのりこんだ。


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