愉快な日常
「よっしゃー!今日はオールでカラオケ行くぞー」
水曜日の4時間目しか講義を入れていない俺は終了のチャイムと同時に勢いよく立ち上がる。」
「三村は少し遊びを控えろ」そう言うのは2週間前くらいに仲良くなった俊太だ。
「せっかくの大学生活やん。遊ばねーと勿体ねーだろ。」
そう、俺は遊びたいのだ。いや、遊び足りないのだ。
「明日の講義どうすんだよ 1時間目からだろ?」
たしかに明日の俺は朝から講義に出なくてはならない「5時まで歌ってそっから帰れば風呂も入れるしなんとかなるだろ。」
「あー。これは明日欠席するパターンだな。」
そう周りから突っ込まれる。
「とにかく早く行こーぜ。」
俺は最近仲良くなったばかりの人も含め、8人と大掛かりな人数を引き付けカラオケへと向かう。
「三村って高校の時からこうなのか?」俊太が聞いてくる。2週間前に出会ったのだから過去の俺の話は知らなくて当然だ。
「いや?高校の時は少数精鋭でやってた」
意外な回答だったのだろう。俊太は驚いた表情をしていた。男9人でのカラオケはとてつもなくうるさく騒がしいものだった。椅子の上で跳ねながら歌うやつもいれば踊り出すやつ、マラカスを振り出すやつに大量にポテトを頼むやつも。俺はこんな空間が好きだった。
深夜2時を周り目を瞑る人も現れた中男ならではの深夜テンションに任せた会話が始まった。
「経済学の広瀬さん可愛くね?」
「いや、俺は教育学部の橋本さんだわ」
「いやいや、何言ってんの看護科の森さんだろ」
「は?何言ってんのお前にはあんな高嶺の花無理だわ」
「うるせーよ」
1度火がつくと止まらなくなるのが深夜テンションだ。しかし、どうしても聞かれたくないことを俊太に聞かれてしまった。
「三村ってこんなに色んな人とつるむのに女子と話してるとこ見た事ねーな」
「… 」
俺は黙ってしまった
「ま、女子誘っても盛り上がりにくいし??」
「お前らが緊張して楽しめねーだろ、だからだよ」自分でも言っていて無理があった。
「お前、女子と話せねーんだろ」
「うっっ」突かれたくない所をつかれてしまった。
「い、いや、お前らと違って彼女くらい作ろうと思えば作れるから。ほら、クリスマスまでに作ってデートしてやるよ」やばい、言ってしまった。つい強がりな性格が出てしまった。
「じゃ、作れなかったら俺らとのカラオケ全奢りな。部屋代と食事代合わせて1万弱か。勝負な。」俊太は「頂き!」と言わんばかりの満面の笑みで喋り出す。
「再来週の三連休は三村はどうすんだ?」
俊太の言葉に首を傾ける。「ほら、再来週三連休だろ?」「まじか」俺は本当に知らなかった。「よっしゃァァァァ」思わず渾身の叫びを披露してしまい寝ていたメンバーに一喝を喰らう。「どうしようかな」俺はカレンダーを確認する。「ホンマや」月曜日が休みなことを確認し、思わず笑みがこぼれる。
そうだ、女子に慣れよう。俺は決めた。
『絶対に女の子を遊びに誘い出す。』
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