少女に角とマント

@tomoya123

第1話

その日僕はボロボロになって、夢の中に落ちた

インフルエンザのような青春菌に阻まれた僕の感情は、あの少女を生み出した

古城に行っては少女と何度も会っていた

そのたびにコンプレックスを体現した少女の姿は変わっていく

ある日もう駄目だと思って、ぼろぼろの状態で古城に行くと

随分奇天烈な格好をした少女がいた、彼女の膝より下しか僕は見れず視界はぼやける

おっとするまもなく

インフルエンザの電車の中に僕は座っていた

きてれつな格好をした少女に目を盗まれる間もなく

後からパりんと音が鳴る

ぼくのからだはするりと外に投げ出されて

顔を上げると少女が手を握り、僕の体は電車に沿って揺らめいていた

雪がほうを伝う、心配そうに僕を見ている

その時目がするりと覚めた

上体を起こして感じてみると、死にたいという病的な感情はなくなり体がラクダ

その少女はコンプレックスをどこに運んだのだろう

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