第十勤務目 激務

「もう無理! 絶対無理! 全員家に帰れよ! どうしてみんなファミレスに来るんだよ! おかしいだろ! どう考えてもお客さん来すぎだろうがよ!!!!」


「いや、今日は本当におかしいぐらいお客さんきてますね。やっと休憩は入れましたもんね」


「そうだよ! だってもう四時だよ? また夜になったらお客さん増えるだろ? あー! 意味わかんねえ!」


「まさか店の前にお客さんが並ぶとは思いも寄りませんもんね」


「そうだよ! なんだ! ここは人気ラーメン屋かなんかかよ!」


「多分ですけど店長のお母さんが働いたときにネットでバズったせいじゃないですか?」


「ここに来て第二勤務目の伏線回収かよ!」


「店長、メタな事を普通に話さないでくださいよ」


「かーっ! これだからネットに振り回される奴らは嫌いなんだよ! いいか! 芸能人の不倫やら不祥事なんててめぇの人生になんにも関係ないんだからいちいち起こってるふりして書き込みするんじゃねえよ! 誰だって美人の女の子に「この後どぅ?」って言われたら着いていくに決まってんだろうがよ!」


「店長、一体、誰に怒ってるんですか」


「モテてる芸能人にだよ!」


「そっちかよ!」


「決まってんだろがよ! こっちは必死にファミレスで働いてるのにあっちは俺の何倍も稼いでんだぞ! そりゃあ女遊びするに決まってんだろうが!」


「そんなもんですかね」


「そうだよ! 金持ってんだから欲しい物なんてすぐに手に入るだろうが! で、金で買えるものが全部なくなったら女に走るに決まってるだろうが。そこに痴女が近寄ってくるって寸法だ!」


「まさかの痴女参戦」


「そうだよ。あいつらはいい感じに芸能人に近づいてめんどくさくなったら文春とかにLINEの画像を売りつけるんだ。それで食べるファミレスの飯は美味いかよ! 美味いのかよ!!!!!!」


「そういう人はファミレスにこなでもっといいもの食べると思いますよ」


「かーっ! 俺も次に生まれ変わったら痴女になりてぇわ!」


「来世で痴女になりたいって人生で初めて聞きましたよ」


「ちーじょ! ちじょ! ちーじょ! はいはい!!」


「休憩時間に無駄に踊って体力使うのやめましょうよ」


「そりゃあ朝の五時から働いてりゃあこんな風になるに決まってるだろうが」


「今日は何時まで仕事でしたっけ?」


「開店から閉店までだよ!」


「あーここ超絶ブラック企業ですもん」


「本当だよ! ファミレスの仕事がホワイトになることなんてあるはずないもんよ」


「コンビニの方がホワイトな感じしますもんね」


「ファック! ファミレス店長!!!」


「そういえば店長はどうしてファミレスで働き始めたんですか?」


「ん? 何? 俺のこと気になってるの?」


「気持ち悪い言い方しないでください」


「仕方ない、俺がどうしてファミレスで働き始めたのか教えてやろう。だがこれだけは言わせてもらう」


「なんですか?」


「この話は次の更新で使うから今回は終わりだ!!!!」


「だからメタ発言はやめい!!!!!」

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店長とバイトくん。 なめがたしをみ @sanatorium1014

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