第七勤務目 大盛りファミレス
「これからは大盛りメニューが人気になるはずだ!」
「どうしたんですか急に」
「ふふふ、バイトくんよく聞きなさい、ファミレスのメニューって量少ないと思わない?」
「あーまぁわかりますね。ご飯大盛りにしても普通サイズかなって所多いですよね」
「そうそう、だからうちの店は大盛りメニューで勝負しようと思うんだよ」
「あのー勝手にそんなことして大丈夫なんですか?」
「大丈夫じゃね?」
「いつもそういうこと言って怒られてるじゃないですか」
「まーまーいいじゃない。それで、これがライスの普通ね」
「いや! でかすぎますよ! これ五合ぐらいあるじゃないですか!」
「で、おかずはこれ」
「ハンバーグは普通のサイズかよっ! ぜったいにライス残りますって!」
「だっておかず多くしたら上の奴らにバレるかもしれないじゃん。でもライスだけめちゃくちゃ多くしてもバレにくいでしょう?」
「バレて怒られるのは怖いんですね」
「当たり前でしょう。あいつらマジで説教してくるんだもん」
「いい大人が説教されるようなことしないでくださいよ」
「いいと思うんだけどなーライスだけ大盛りのファミレス」
「これはやりすぎですよ」
「だってライスが少ないってよく言われるんだもん」
「にしてもこれは異常すぎますよ。二合でも多いと思いますよ」
「それじゃあデカ盛りにならないじゃん」
「だって店長も食いきれないでしょう。これ」
「無理だね」
「じゃあお客さんも食べきれないですって」
「じゃあサラダをデカ盛りにしよう。ちょっと待ってて!」
「なんですかもう」
ー五分後
「これじゃああああああ!」
「だから無理ですって! なんでボウルいっぱいに野菜いれて上に焼肉のせてるんですか! おかしいでしょう!」
「なんでだよ! 食えよ! ほら!」
「口に入れようとしないでくださいよ!」
「えーSNSで話題になると思ったんだけどなー」
「話題にはなると思いますけど食べきれない人が山ほど出てきて問題になると思いますよ」
「マジかよー」
「やっぱり大盛りは中華とかそういう店が出しとけばいいんじゃないですか?」
「そうなのかなーファミレスが大盛り出すとか面白いと思うけどな」
「大盛り食べる人ってレベルが違いますもんね」
「そうそうあいつら胃の量がおかしいもんな」
「そうですよね」
「じゃあライスだけ試しに大盛りにしてみるか」
「あっ、やっぱりやってみるんですね」
「よしっ! じゃあ明日からうちは大盛りファミレスや! いくでー!」
「なんで大阪弁なんですか」
ー次の日
「お客さんから本社にクレーム来て上の人に説教されたわ。くそがっ!」
「やっぱりかよっ!!!!」
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