第9話 つぎはぎ 人間じゃない男と傍観者の俺

 今日、遂に一社目の面接を受けた。

 受けた……のだが、面接官の態度と、隣の部屋から聞こえる怒鳴り声のために、この会社はまずいと判断した。面接後はそそくさと退出することになった。次だ、次。履歴書は三社目を昨日書いて送っている。挫折するにはまだ早すぎる。

 あっさり帰宅してしまった後、久々に部屋の掃除をしたり、今までに配信した動画の切り抜き作業を進めている内、大学時代の友人寿大葉ことぶき・たいようからショートメールが来た。忘年会の日程調整だ。25日土曜日にN市でどうかという提案に対し、俺は直ぐに同意の返信をした。メールには詳しい話は書かなかったが、不本意ながら平日の昼間から飲めるようになってしまったので……

 いや、ふざけている場合じゃないな、次の職場は今すぐに決まらなくても年内には決めたい。


 午後八時半を過ぎたところで、今日の配信だ。やるか。

「本日のゲームは『魔女アルマイネと星の夢のアントワーヌ』、ジャンルはアドベンチャーゲームです。少年アントワーヌが無人のはずの古い屋敷に住みついた魔女と吸血鬼の義姉弟やその仲間の魔物・怪物達と出会い交流を深めていく物語だそうです」

 オープニングは十代前半らしき白人の少年アントワーヌ君が深夜に自分の家の屋根によじ登り、星を眺めるところから始まる。空のグラフィックは大変綺麗だ。肉眼でも大量に星が見えることになっている。

「これ、家に車庫もなく電柱も見当たらないし、舞台は自動車が登場する以前の時代のようですね。工場も今より断然少ないはずなんで、排気ガスも少なそうで良いなあ」

 そんな綺麗な空を、突然黒い馬車のような影が彗星のような輝きを伴って通り過ぎた。少年が驚きながらもその姿を目で追うと、輝きは彼の町の古い屋敷の中に入っていった……


 そこでいつものとおり画面が暗転し、俺はいつの間にか自分が埃まみれの床にいることに気づいた。床との距離が近いということは、やっぱり首だけか。試しに手を動かそうとしたが、やっぱり腕が存在しない。

 部屋の様子はといえば、電球ではなく蝋燭の明かりが暗い部屋を照らしている。きっとゲームの中の屋敷だ。辺りを見回すと、床には粉で模様が書かれている。魔女の住みついた屋敷なのだから、これは魔方陣かもしれない。そして、模様の外側に二人の人間が立っている。

「うおぉっ! やっと、やっとおれと同じものと出会うことができた! アルマイネ、ありがとう!」

 俺は発言者を見上げ、そして驚いた。男が腕に生首を抱えている。男の持つ生首は嬉しそうに俺を見下ろしている。男の隣に女がいる。この人が魔女だろうか。外見としては二人とも若者に見える。

「そうね。君、喋れる? ああ、口に出さなくても大丈夫よ。事情は『あのお方』から聞いているわ。私は魔女アルマイネ、こっちは吸血鬼のジャン、それと、首だけ男のヘクトール。ヘクトールは元々科学者に作られた命だったんだけど、色々あって創造者と仲違いして、首だけが北極海を彷徨ってたところを、私が拾ったの」

 というと、もしかしてこのヘクトールという首だけ男、元々はフランケンシュタインに相当する人の作った怪物なのだろうか。視界が部屋の暗さに慣れてきたところで改めて見ると、確かに色々な人間の体を継ぎ接ぎにして作られた存在らしく、顔に大きな縫い目が二か所ある。

——ええと、動画実況者の吾首あくびです。動画実況者っていうのは、小さな箱の中で動く芝居に声を当てたり説明したりする仕事です。

「そうかぁ! お前は人間と同じように仕事というものをやっているのか。羨ましい話だ」

 ヘクトールはジャンの腕の中から転げそうなほど身を乗り出している。

 その時、扉をすり抜けて青白い光の塊が部屋に入ってきた。光の塊は魔女の耳元に近づいて瞬いた。

「来客よ。ジャンはお出迎えの支度をなさい。ヘクトールは……折角だから暫く二人で話すと良いわ」

 吸血鬼は首だけ男を床に置くと、魔女を追いかけて部屋を出て行った。俺は目を閉じて画面を確認した。視聴者さんが見ている本来のゲーム画面では、アントワーヌ君が不安そうに屋敷を探索しているところだった。

——起きていることについて喋るのが俺の仕事なんで、今からちょっと喋らせてもらいます。

「流石にまだ廃墟とまではいきませんが、埃臭いという台詞があるからには無人になって暫く経っているわけですね。主人公は屋敷の人を探しますが……おっ」

 画面には金持ちっぽく身形を整えたジャンとアルマイネの姿が映し出された。二人は姉弟だと名乗り、アントワーヌを歓迎した。

「部屋に通されましたが、果たして本当に歓迎されているのか」

 ここで視聴者さんから、【鏡】という短いコメントが届いた。どういうことだろう。

「それがお前の仕事か。どうやってただ生きているだけでなく、人間と共に働くということに行きついたのだ。それと、お前が一体何をやってるかおれには理解できんが、何故そんなに笑っているのだ」

 ヘクトールは怪訝そうに尋ねた。

——ええっと、自分でも変な仕事だと思います。俺の世界には、小さな箱の中の劇を自分で動かせる娯楽があって、俺はそれを動かして見せたり、台詞を読み上げたりしてるんですけど……そもそも俺のいた世界では、科学技術により人間が自分の分身を好きなように作り出して、分身同士で対話する文化が生まれていて、俺の今の姿も、その産物で……

 本当は実況で殆ど収入を得てはいないため正確には仕事ではないのだが、この際その説明は省略する。あの寺の住職はあっさり理解してたようだけど、ゲーム実況とは何かなんて、テレビも無い時代の人に、この説明で伝わるだろうか。

「お前が人間の手足胴を備えていない、首だけ男であっても、人間はお前を化け物とは呼ばないのか。一体どうしてそんな事が起こり得るのか」

——分身の世界では、ある程度好き勝手に、なりたい自分に見せかけていいんです。俺は好きでこの見た目になった、お前も好きでそうしてるんだろう、お互い妙だが仲良くやろう、どうせ分身なんだから。そういう考え方の方が主流です。人間本体の世界は、なんというか……まだそこまで賢くはないわけですけど。

 喋りながら、俺はこの首だけ男ヘクトールについて、人間の世界に入りたかったのだろうかと感じた。フランケンシュタインという物語について、俺は「博士が人間の死体を繋ぎ合わせ怪物を作ったが、やがて二人は対立し、遂に博士が怪物に殺されてしまう」というごく大雑把な話しか知らないが、ちゃんと読んでおけばヘクトールの発言も直ぐに理解できたかもしれない。


 さて、主人公はどうなっただろうか。俺は片目を閉じた。

『私達はこの町に越してきたばかりで、お友達もいませんの。貴方が来てくれて嬉しいわ。よろしかったら世間話をいたしましょう』

 汚れのなく色鮮やかで高価そうな服を着た魔女はニコニコと微笑みながら言った。

『大公夫人の靴下は乾いている?』

 吸血鬼のジャンもそう主人公に話しかけたのだが、一体何の話だ?

「えっ、なんだそれ。吸血鬼といえば確かにドラキュラ伯爵とかそういう、貴族だと思うんですが、それにしても唐突にこれまで影も形も無かった大公夫人の話をされるのは困らないか?」

 何かの暗号か? 俺は全然理解できないが、この後説明はあるのだろうか。

【今のは"Les chaussettes de l'archiduchesse sont-elles sèches?"というフランス語の早口言葉で、某映画のパロディ】

【吸血鬼が貴族で美しい処女の血を好むというのは殆ど西欧人の創作物による刷り込みだ。吸血鬼伝承の生まれた東欧では寧ろ庶民が墓から蘇り家族に害を成す逸話の方が多い】

 そ、そうなのか。視聴者さん達は博識だな……。

「えーっと、『ヴィオちゃん先生』さん、『Dr.Aulacドクターオーラク』さん、コメントありがとうございます。そうなのか、吸血鬼って別に貴族じゃなくてもなれるんだ。全然知らないことばっかりだな……」

「ジャンの奴なら、生きてた頃は東の国生まれの農民だったよ。吸血鬼として蘇って、食欲のままに家族全員を食った後途方に暮れていたのをアルマイネが拾ったんだ。おれもその時一緒にいた」

 俺が視聴者さんのコメントに返事をしているのを聞いて、首だけ男が補足してくれた。で、食欲のままに? なんだか、俺がゲームで知った吸血鬼のイメージと全然違う。

——ジャンさん、農民なんですか? でも今は貴族っぽい格好をしてますよ。

「アルマイネにやらされてるんだ。アルマイネは何年か前に、金持ちの遊び人に惚れて、騙されて、捨てられた。その復讐のために、ジャンを上流階級の男に仕立て上げようとしている。ところがジャンときたら、顔立ちは実によく整ってお上品だが、口を開けば途端に田舎者が丸出しだ。それで、近頃毎晩二人で特訓している。お前も暫くここで暮らしながら眺めてみろ」

 つまり彼女はこれから頑張ってその遊び人の男を「ザマァ」しにいくわけだな。


 このゲームの体験版は一章分と書いてあった。主人公の行動は屋敷に来るほか、学校に行ったり夜中に星を見たりするパートもある。彼はいつか宇宙に行ってみたいらしく、オープニングの夜に空を飛ぶ馬車を見て、地球の外とまではいかないまでも、限りなく星に近づける、世界一高い山の上まで連れて行ってほしくなったようだ。

 首だけ男ヘクトールの居場所は地下室か、客の来ない日は屋敷の三階のアルマイネの部屋だ。元々は尋常ではない怪力の持ち主だったが、腕も足も失った今はできる仕事も無いため、単なる他の住人のお喋り相手なのだという。

「アルマイネが集めた奴らは、おれを気味悪がりはしない。それはそうだ、皆おれと『同じ化け物』だ。だが、おれはそれでも、自分と同じものに出会いたいという願いを忘れられなかった」

 魔女の部屋のソファーで俺と二人並びながら、首だけ男は寂しそうに言った。俺達の目の前では、吸血鬼が一生懸命に喋り方を練習している。主人公がこの屋敷に来るまで、もう少し時間がある。

「君のおじさんが君のおじさんの頭を刈り、私のおじさんも君のおじさんの頭を刈ったなら?」

のおじさんの頭は丸刈りになる

「駄目よダメダメ! 発音が全然美しくないわぁ! 次、『狩り上手な猟師は、猟犬抜きで狩る術を心得ている』」

「狩りが猟師は、猟犬狩る術を心得る

「んもぉー!」

 訛るにしても、何処から来たともわからない継ぎ接ぎみたいな訛り方だ。中々先は長そうだが、魔女らしく魔法でどうにかするというわけにはいかないんだろうか。


 暫くの後、ドアが開く音がした。魔女と吸血鬼、偽りの姉と弟は慌てて来客用の服を着て飛び出していく。俺も出番だ。

「今日の学校は若干不穏でしたね、アントワーヌくんが悪い友達からいじめの標的にされることがないと良いんですが……」

 この少し前のシーンで、クラスの気弱な女の子を標的にイタズラを仕掛けようとする悪い友達を見て、主人公は反対することを選んだ。すると、このピエールという名の悪友は猛烈に腹を立てたのだった。

「さて、今日もアルマイネさんのお屋敷にやってきました」

 主人公は階段を降りてくる姉弟に挨拶をした。姉は笑顔で挨拶を返し、続いて弟も笑みを浮かべて主人公に歩み寄る。しかし、直ぐ近くまで来たところで、ぎょっとした表情を浮かべて後ずさり、更には大声を上げながら階段を大慌てで上っていった。

『ぎぃやーーーーっ!』

 そのまま俺達のいる部屋のドアが開き、ジャンが駆け込んできた。

「ええぇっ、一体どうしたんだ?」

 俺は片方の目だけを閉じて両方の様子を見た。一階では、魔女が深い溜息を吐いている。

『ごめんあそばせ、弟の悪い癖が出てしまいましたわ。あの子はニンニクの匂いを少しでも嗅ぐと、いつもこうですの』

『えっ、ニンニクだって?』

 主人公は不思議そうに鼻をひくつかせ、やがて匂いの元が自分の鞄の中にあることに気づいた。

『ああっ! ピエールのやつ、ぼくの鞄にもイタズラをしかけたんだな! ……だけど、あんなにニンニクを嫌がる人は初めて見たよ』

 主人公の鞄には、切れ込みの入った生のニンニクが放り込まれていた。気づかないまま放っておくとに中にニンニクの匂いが充満し、翌朝には鞄を背負って歩くだけで辺りに匂いを振りまく鼻つまみ者になるという嫌がらせのようだ。

「すると、これでジャンが吸血鬼だってことがバレるんでしょうかね」

「いヤ……流石ニまダ、バレないハずだ……アルマイネがそう言ッてたかラ、間違いナい……」

 ジャンが荒い呼吸をしながら言った。心臓が動いていない以上血液の循環も無く、呼吸も発生しないんじゃないかと思うが、あまり突っ込むのは野暮か。

【この国には吸血鬼がいないという設定だから、主人公はそもそも吸血鬼の存在を知らない】

 視聴者さんからも解説のコメントが届いた。

「『エリヤ』さん、ありがとうございます。そうか、吸血鬼ってヨーロッパなら何処でもいるわけじゃないんですね。どんどん新しい知識が増えていって勉強になるなぁ」

「ハー……しンどい。幾ラ都会ノ若い娘の生血ヲ吸ウたメトはイえ……。疲レた、腹が減ッた」

 ジャンはそう言いながら、俺の方に来た。そして手を伸ばし、俺を持ち上げると顔を近づけ……えっ!? 

——ちょっと、待て、待て待て待て待て待て待て待て待ってくれ!

 次の瞬間、俺の首筋でガリッと嫌な音が立った。更に一瞬で俺は放り投げられ頭の先からソファに突っ込んだ。

「固ッ……なンだお前、血ガ流レて無いのカ」

 吸血鬼はがっかりした様子だ。やれやれ、許可も取らずに血を吸うのはやめてもらいたい。心臓が止まるかと思った。俺も今は首から下が無いのに。

——アンドロイドって設定なんで、皮膚も人工物だし皮の下は全部機械ですよ。

「そうか、人間じゃない物でできているのか。お前とおれ、少し違うんだな」

 首だけ男はそう言うと、顔を捩ってソファの上を器用に動き、俺の髪を咥えて向きを戻してくれた。そして、小さく溜息を吐いた。

「おれの話を聞いてくれ。首から下があり、創造主が生きていた頃、どうやら人間はおれを醜い化け物としか見てくれないと知って、怒りが込み上げるとともに、堪らなく寂しくなったのだ。それでおれは創造主に、おれと同じ造り方で伴侶を造ってくれと頼んだ。だが、あいつは結局おれの願いを踏みにじった。おれは伴侶と共に二人でひっそりと生きて行くつもりだったが、あいつはおれが伴侶を得れば、二人して手を組み益々人間に害を成すに違いないと考えたのだ。その時、おれの憎しみは止めようもない程膨れ上がった……」

 ヘクトールにそんな過去があったとは。それでこの首だけ男は、召喚された俺を見て大喜びしたのか。

「だが、今になって、あいつの考えが少しわかった気がする。アルマイネはおれのためにお前を召喚してくれた。おれはその時、心底嬉しかったはずだが、今お前がおれとは違う者だと明らかになり、また寂しくなった。やはりおれと全く同じ造られ方の伴侶でなければならないようにも思う。しかし……おれは次に、伴侶との子供が欲しくなるのではないか? 子供の次は孫が……際限なく望み続け、その果てにおれは果たして満たされるのか? 満たされない限り怒りが沸き続けるのなら、それはあいつの言葉どおりなのではないか?」

 俺は首だけ男の言葉に戸惑い、返事に悩み、やがて、自分までその創造主氏に対して腹が立ってきた。

——そこまで自分を顧みて考えられるのは、人間にもなかなかいないよ。多分、俺より君の方が、人間基準だと遥かに賢いんじゃないか。君に足りなかったのは多分、多くの人間が生まれて最初に得る「満たされた」という感覚、親からの……いや、親じゃない場合もあるな、とにかくすぐ近くにいる人からの愛を沢山受けるってことだったんだと思う。

「……どうだろうな。眠ると偶に思い出すんだ。創造主のやつが、出来上がる前のおれに、沢山の期待をかけるのを。魂が今の形になる前の出来事だというのに、おれは何故か覚えている。そのせいだろうか。あいつならおれを救ってくれる、おれにはあいつしかいない、ずっとそう思い続けて……裏切られた。そして殺した。もうあいつはいない。では、本当は誰を求めればいい?」

——と、言われても、俺より君の方が賢く、人間と世界の悲しい面を知ってるんだよな。俺に言えることがあるかどうか……

 俺は本当に返事に詰まった。そうか、自分で殺しちゃったんだな。何処までも苦しい道を歩まされてきた相手に、何を言えるだろう?

「オイ、首だけ男。オ前、賢イと言わレてはいルが、さてハ嘘を吐く事をマだ知らナいな。一度自分ヲ騙シてみろ。目を瞑ッてみロ」

 俺が悩んでいるうちに、吸血鬼のジャンが口を挟んだ。 

「”こイつは自分とハ違ウ”、賢いお前ハ何時でも直グに気づク。そこデ一度自分に向かッて嘘ヲ吐け、”だが、そンな事ハどウでも良いナ!”ダ」

「どうでも良くはない、おれと違う者は、おれを醜い化け物だと考える」

「俺ハお前ガ醜クても気ニしなイ。何故なラ俺ほど知恵深く美シい男ハ二人といなイのが当タり前だかラ。俺ニ釣り合ウ美女を求めテこの国マで来たノに、皆俺の喋リ方が悪イだけで笑い者ニするカら、もウうンざりダ」

「よく言う。お前ときたらアルマイネに拾われるまではとんだ田舎者で迷信深く知識もなく、見た目については服も継ぎ接ぎ、髪もボサボサ、歩き方もだらしがない、極めつけは口が臭くて、人間の女どころか雌豚も飛んで逃げる有様だっただろう」

「五月蝿イ、五月蝿ーーーーーーイ!」

 そう言いながら、吸血鬼と話しているうちに首だけ男は気が楽になったようだった。

 

 物語は進んだ。何度も屋敷を訪れる内、遂に主人公はジャンが野良犬の血を啜っている所を見て、彼が化け物であると知ってしまった。そこでこの体験版は終わった。俺は首だけ男に見送られながら、魔女の魔方陣から元いた世界に戻された。(そういえば、明確に「帰される」のは初めてだ。)


 そうしたわけで、現実に戻ってきた。今日の締めだ。やるか。

「吸血鬼の方は見た目がいかにも貴族らしいのでクールな耽美系なのかと思ったら、結構面白い人でしたね。ただ、魔女といったらやっぱり魔女狩りとか想像しちゃうんで、このまま主人公がこの姉弟と仲良く付き合っていけるか心配ではあります。この前は権力って嫌だなって言いましたけど、考えてみれば人間って、国や権力者に唆されなくても勝手に何かのきっかけで集団になって異質な他人を排除することは幾らでもあるんですよね」

 ここで視聴者さんからコメントが届いた。

「『エリヤ』さんコメントありがとうございます。『政府や政党と国民の多数派が無自覚にお互いを利用し合うこともある。』それもそうですね。政治家って国民と全く切り離された社会に生まれ育ってるわけじゃないですし。ヨーロッパのユダヤ人迫害とか、そんな感じだったのかな……。それではこの辺で、よかったらチャンネル登録お願いします」

 今日は結構喋った気がする。話を聞いてるだけの時間も多かったけど……

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