第4話 仮入部
その翌日から始まった仮入部。
空手部の練習場所は、昨日と同じ体育館二階の用具置き場。
いや、なんでだよ!
と思ったけど、体育館はバスケやバレーに体操と、強豪チームがひしめく激戦区。
そこへ新設の空手部(部員四人)が入っていけるはずもなく、必然的にこの場所となったらしい。
指導してくれる僕のクラスの担任、
部長が言うには『柏手先生って忙し過ぎて、ほとんど姿を見せることが無いのよね』って、ムリじゃん。
ということで、僕への指導は部長がしてくれているが、その様子をジッと見つめるカリナ先輩の視線が怖い。
というのも、いま僕の行っているのは立位姿勢と声出し。
このくらいならと頑張ってみたら……。
「オッシュ」
噛んだ。
でも、そのせいかカリナ先輩の視線が和らいだ気がするけど……それも束の間。
「そうだね、もう少しこの辺に力を入れてみたら、声が出るんじゃないか?」
そう言って、体操服姿の僕のお腹辺りをまさぐる部長。
と、同時にゴゴゴと聞こえてきそうなほどの殺気を、背後から感じた。
ヤメテ、怖いから。
けれど、その後もカリナ先輩が口出ししてくることもなく、一週間の仮入部は無事に終了。
本入部となったが、その日から彼女たちの態度は豹変した。
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