第6話大場元夫人side
結婚は家同士の関係性から決めたものでした。
あちらの家から「是非に」と請われ、結婚を前提にしたお見合いをして、トントン拍子に話は進んでいきました。
愛し愛される事を望んでの結婚ではありません。
けれど、夫婦になった以上は最低限の礼儀は必要です。
世間一般の恋愛結婚とは程遠く、私も彼に恋をしている訳ではありません。ですので、愛情を強要するつもりはありませんでした。
家族として、そして仕事上の良きパートナーとして信頼関係を築いていきたかったのですが……結果から言えばそれは『無理』でした。
浮気をするなとは言いません。
愛人を持つなとも言いません。
ただ、相応の相手を選んでいただきたかったと心底思います。
私宛に浮気の写真を送りつけたり、画像を送りつけたり、マウントをとったり、愛人とのツーショットを送ってこられるのでは困ります。
皆さま大変美しい容貌の方々ですが頭はあまり良くない方々ばかり。
もっともそのお陰でこうして証拠品が山ほど集まりましたので責めるつもりはありません。
実家に子供達と帰ることになったとはいえ、母子家庭になった事に間違いはありませんもの。その要因になったかもしれない方々に情けを掛ける必要はございませんよね?皆さま、覚悟の上でこのような行動をしたのですから。
隠し子騒動に認知問題、離婚。
元夫となった男性はこれで片は付いたと思っているようですがそれは少し違います。
見合い結婚。
それも
この結婚には双方に理由があったからこそなされたものです。
これから大変でしょうね。
同業者として彼等が落ちぶれていく姿を見るのは忍びないけれど、これもまた仕方のないことです。私達のような職業は「信頼が第一」ですからね。
あら?
元夫には縁のない言葉でしたわ。
帰ったら
元夫とその家族は知らないでしょうが、あの神社は『縁切り神社』としても有名で、地元では知らない人がいないと言う程に評判の神社でもあります。
嫌な縁を切ってくださった氏神様に感謝しかありません。
これで、あちらの地上げ屋まがいの行為もなくなるでしょう。
その証拠品もたっぷり慰謝料として頂いてきましたし、後は弁護士がうまくしてくれるに違いありませんから安心ですわね。
まぁ、チンピラまがいの人達は元々地元民ではありませんでしたから。
地元に根を張る「ヤ」のつく方々が何とかしてくださっていましたから大事には至らなかったようです。
きっと他に仕事がなかったのでしょう。
人手不足だと政府が唱えていますが、実際は違うのかもしれませんね。
若いので
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