第4話 現代依存症がジャングルに行くとこうなる

現実くん とスマホの虫は緊張しすぎて、逆に冷静になっている。


船は揺れながら、ジャングルの奥へと進んでいた。


すると、象が木と木の間から現れる!


「アフリカのナイル川へと入ってきました。

あれがジャングルの暴れ者、アフリカ象です。

特にあいつが凶暴なんだから。でも、かみさんをもらってから、少し大人しくなったんです。

このこわーいかみさん、あのとおり!」



いきなり2頭目の象が、水を噴射してきた!

スマホの虫のスマホにかかる!


「うわっ⁉︎……ヤベ、壊れてないかな」

↑スマホの虫


「(そっちにかかってくれて良かった…)」

↑現実くん




「あれ!あのキャンプにはとんでもないお客さんが来たようですよ。

あのジープの止め方を見て下さい。

どなたか、車の止め方、ゴリラに教えてやってくださいよ」


ゴリラがキャンプ場を占拠していた。

少し進むと、ゴリラとワニが じゃんけん している。


「おや?こっちのゴリラは何をしているのかな?

あ!ジャンケンしているだ!

ゴリラがグーで、ワニが口をパクっと開けているからチョキ!

ハハハハ、ワニの負けです」



「(解釈次第では、ワニはパーとも捉えられるんじゃね)」

↑スマホの虫


「(えぇ…ワニと じゃんけん とかテレビでもやらんて…)」

↑現実くん



※余計は事は考えなくて結構です。







「あ、岩の上にヒヒの家族がいますね。

何か見ているようですが、アフリカの大草原で何かあったようです。

多くの動物達が水やエサをもとめて、ここに集まってくるんです。

ハハ、ライオンが獲物をしとめたようです。

草を食べるシマウマ、そのシマウマを食べるライオン。

そのまたおこぼれにあずかろうという、あのハゲタカたち。

大自然では生きることから全てが始まるんです。


あはは、見て下さい。木にたくさんの人たちがいますよ。

彼らは、他のツアー会社を利用した人たちです。

やっぱり陸上のツアーは危険なんですね。

その点、みなさんは信頼と実績をほこるジャングルクルーズを選んでよかったですよ。

なんせ我が社は、生存率10%というすばらしい実績を誇っています。

やりました!みなさん、この中の2、3人、今日無事に帰れるというわけです」


「「(ハァ?)」」



「さて、右手に御注目ください。

ワニの長老、スマイリーブラザーズです。

人懐っこいんですよ。

ただ、顔や手などを出さないで下さい。

スマイリーたちは、好き嫌いなく誰でも食べてしまうんです。


前に見えて来たのがシュバイツアーの滝。

名前の由来は、シュバイツアー博士からきていましてシュバイツアーといえば…わー舵が遅れた!!

危ない!!みなさんよけてよけて!



みなさーん、御無事でしたか?

誰です?一番取り乱したのは。

船長が一番驚いたみたいです」



※ここからちょっとカット。



「さあ、今から世にも珍しいものをお見せしましょう。

見て下さい、滝の後ろ姿!

はーい、前から見たのと、全然変わりません。


ここはアジア大陸を流れるイラワジ川の上流です。

この遺跡は、何百年も前、大地震により廃虚となってしまいました。

ここには神に捧げられた、数々の財宝が眠っているそうです。

多くの人々がその財宝をもとめて中へと入っていきました。

でも、誰も出てきません。

神の怒りに触れぬよう、皆さんくれぐれも御静かに。

1人、2人、3人、4人、5人…ここを出た時も同じ人数だと良いんですがね…」




薄暗い遺跡の中には虎のような光?が壁を走っており、なんか神聖な感じがする。


現実くんは怯えた(知ってる)。


「ヤヴァいって!」


「へぇ、すげぇな。暗いから誰の視線も感じずに写真撮れる」

↑スマホの虫




「あれれれ、今度は象の水あび場に迷いこんでしまったようです。

本当のは神聖な場所なんで入ってはいけないんですが、でも入ってきちゃったんだから、邪魔しないように。

ちょっぴり見学させてもらいましょう。

これは、インド象です。たくさんいますね。

専用シャワーで涼しそうな顔してるでしょ。

きっと、あいつら思ってるんですよ。

あいつら、いたずら好きですから、水をかけられないように気をつけてください。

うわーすごい勢い!

さあ、今のうちに行きましょう。あああ、こっちも危ない!

避けて避けて!危なかったですね。

今度こそは気付かれないうちに今のうちに…あああ、避けて避けて!

良かったですね(?)」


象に水をかけられ、スマホが水没寸前のスマホの虫。


現実くんは失神していた。


「現実…?…し、○んだァァァァァァァァァ⁉︎」



どこからか、視線を感じる!



どうやら少し高い丘の上に、人がいたようだ。


「さて、彼がこのジャングルのやり手セールスマン、サムです。

手にもっているのは、先日首にした彼の部下。

彼、売ってるんですよ、おみやげに。

でも、最近はジャングルも不景気でね。

私に、こぼすんですよ。首がまわらないって…


さて、いよいよこのジャングルで最も危険で最も恐ろしいところへと近付いてきました。

そこは文明社会です。

船がドックに近付きますので、顔や手、足などを外に出さないようにしてください。

忘れ物に気をつけてください。

カメラ、ハンドバック、財布、それに大事なお子さん。忘れ物は3日以内にとりにこないと、皆んな船長の持ち物になってしまいます。

先週だけでも、3人のお子さん、いただきました。ハハハハ。

また、冒険したくなったら、いつでも遊びに来て下さい。

このあとも東京ディズニーランドでごゆっくりとお過ごしください。サヨウナラー」



船が停留所へ止まったため、他のゲストと共にスマホの虫は、現実を背負って、船から降りていった。


そして、アトラクションを出た所で、現実くん を地面に叩きつける!


バァァァァァン!


「いでェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」

↑現実


「おいお前のせいで、俺が保護者みたいじゃないか!

周りの視線が痛すぎた」


「別に良いじゃん////」

「ハァ?(低い声)」

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