第2話 いざ、夢の国へ
朝になった。
空き家の庭とも言える、物騒要塞に太陽の光が照らす。
カーテンを開けて、エリザベスは背伸びした。
「ゔゔ……ゔ……ゔ…ふぅ、よく寝た。
あれ、リスキャはまだ寝ているのか。
早く起こして、飯食って、出発の準備をしなきゃな……」
彼はリストキャットを起こすと、頭を撫でて、髭を解かしてやった。
寝起きの彼女の垂れた耳を整えて、エリザベスは食堂へ向かう。
食堂にはアントニオと、他の料理人たちが朝食を作っていた。
エリザベスは資料を見て日程を確認している すし を食べた。
「うまい。やはり、いつもと変わらないな」
「ありがとうごさいます!」
ズドォォォォォォォォォン
突然、包丁が厨房から飛んできて、エリザベスの後ろの壁に刺さる!!
投げた奴がエリザベスに向かって怒鳴った。
「俺の飯も食えよォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
↑アントニオ
「俺が食べたいもの食べて、何が悪い」
「んだと貴様ァァァァァァァァァ」
「やめてくださいよ!あと30分で出発するんですから、喧嘩しないでください!」
↑すし
「クソぉ、覚えてろよ、鳥」
「どうせすぐ忘れる」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
エリザベスのペット犬 ワンキチが、家の外へ出る。
周りには、準備を終え、もう出発できるメンバーが立っていた。
「待たせたな、早速行くぞ」
↑エリザベス
彼は皆よりも遅れて外に出てきた。
「エリザベスが1番遅いじゃん」
↑箱人間
「ハァ?」
「いやなんでもない……」
「ワン!」
「では、皆さん車に乗ってください?
結構詰め詰めだと思うんですけど、まぁ我慢してください」
↑すし
「おいお前ら早く乗れ」
↑ロッシュ
メンバーは順番に車に乗り始めた。
車はかなり大きいのだが、全員入るとやはり狭い。
ついでにワンキチまで入るのだからしゃーない。
狭すぎて座席に顔を打ちつけられているエリザベスがロッシュに言った。
「そろそろ しゅはつ しろ」
「わかった。乗り遅れた奴いないか?」
「いない」
車が物騒要塞を出発する。
その様子を、雪だるまは見ていた。
「え、なんで?」
どうやら彼は、置いていかれてしまったようだ。
ぎゅうぎゅうに詰められたリュックを下ろし、茫然としている。
「え…マジすか。
いや、まだ間に合うかも!頑張れ雪だるまァァァァァァァァァ!
頑張るゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!」
彼はなんと、走って車を追いかけるらしい。
発想がよくわからん。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夢の国 東京ディズニーランド。
周辺はホテルや おしゃれ な街路樹があり、まるで南国のようだ。
エリザベスはその風景を見られないのだが……。
助手席のすしが、運転席のロッシュに言った。
「その先、左方向です」
「おっけー」
「ムムムームム?(カーナビ使えないの?)」
↑ムムムさん
「(なんて言ってんのかわからないから、適当にあしらっておこう)
はい、そうです」
↑すし
「(本当にわかってんのか こいつら)」
↑ムムムさん
「あ、見えてきたじゃん。あれっしょ?」
「あれです!」
目の前には、ディズニーランドの入り口が!
すしは 色々準備し始めた。
「皆さん、降りる支度してくださーい」
「「「狭すぎてできねぇよ」」」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ヤバいくらい時間が経って、やっと屋内駐車場を出たアルビノの生物兵器たち。
ホテル行きのバスが行ったり来たりしているバスターミナルを抜けて、入場ゲートの前に辿りついた。
上の方には、モノレールが通っていた。
ほぼ皆んなの親と化した すしは、全員分のチケットを、バッグから出す。
現実くんは怯えた。
「ひいっ、朝早いのにこんなに人が!怖い……」
「しゃーないさ、陽キャだっているんだぞ。
俺らには少し早すぎた」
↑スマホの虫
「なぁお前、なんか食べ物無いか?」
↑四面体箱人間
「え、え、っと、な、無いっすね…ハハ」
「ふーん」
「リスキャ、最高の日にしてやるよ」
「あら素敵…大好き」
「(エリザベスの奴…羨ましい)」
↑サイコロ
やがて、生物兵器たちの番がやってきた。
すし が、チケットを出して、キャストと何かしている。
としか、他のメンバーは思わなかった。
しかし、キャストはワンキチに目を向ける。
「ディズニーランドでは、ペットを連れて入園できません」
「え」「は?」
↑すし&エリザベス
「申し訳ございませんが…」
↓エリザベス
「おいお前、動物は中には入れないとでも言いたいのか」
「え…」
「鳩とかネズミとかいるだろーが!!」
「エリザベス様…そーゆう問題じゃないです……」
「ハァ?」
「せっかくの旅行で、ヤバい事したくないので、ここはキャストの方の指示に従いましょう」
「………チッ」
その後、なんやかんやあって、入園する事ができた。
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