　第九話の体験者であるシオリさんと私の会話が一段落したのを見計らって、聞き耳を立てていたのか、隣で同僚に接客していたセナさんが「私も怖い話しあるっ！」と話しかけてきた。

　以下はそのセナさんから聞いた話である。

　ネタとしては弱いが興味深い話だ。

「私、霊感があるんです！だからよく見ちゃうんですけど、不思議なことに同世代かなぁ？っていう女の子の幽霊ばっかり見るんです。小学生の時は小学生の女の子の幽霊ばっかり見えたし、学生の頃は十代かな？っていう女の子の幽霊ばっかり見えたし、今は二十代かな？っていう女の子の幽霊ばっかり見ます。珍しい？レア？やったー！でもなんで同世代の幽霊ばっかり見えるのか分かりますか？怖い話詳しいのに分からないんかいっ！ははは！まぁいいや。でね、この間歌舞伎町行ったんですよ。歌舞伎町のバーで働いてる友達と飲むことになって。普段は出ても大宮までだし、歌舞伎町なんていつぶり？ってくらいだったんですけど、歌舞伎町、若い女の子の幽霊がうじゃうじゃいました！どや！ははは！あっ、レアな話教えてあげたんだし、私にもドリンクいいですよね？いいですよね？はーい！ご馳走さまでーす！」