旦那の秘密
赤ちゃんが2人も流れてしまった。その悲劇から3年後のこと、結婚生活6年目を迎えた頃から、旦那は何故か私との距離を置き始めた。そして夫婦で出かけることがかなり減り、旦那は私がどこか行くことになっても我関せずになっていた。
旦那が、何故か私が1人で行動する時に居ないのかの理由が知りたくて動いていた。
探偵を高い金で雇い、旦那がどんな行動をしているのかを詳しく調べあげた。嫌な現実に目を向けることになってしまった。
「端的に言いますと、貴方の旦那さんは警察に捕まるべき人間です」
「え?」
「……まぁ、犯罪を犯してまして」
「え、これって」
「えぇ。旦那さんの行動です」
「なら警察に行かなきゃ……。というかあなた達が行くべきじゃ?!」
「……私たちに頼まれたのは、貴方が旦那さんがどういう行動をしているか、ということだけなのであとはあなた達の判断で」
「……」
私は今日が勝負日だ。そう考えて旦那の帰りを待った。沢山の写真と動画とともに。
「ただいま」
心無い冷たい声が玄関から聴こえる。そしてカバンやスーツの上着を脱いで一言目は毎回。
「飯は?」
の一言だけ。私は首を横に振る。すると旦那はとても険しい顔と何かを心配するような悲しい顔の両面を見せてくる。
「なんかあった?」
「……あのさ」
私が口を開けた途端だった。旦那は私の口に思いっきりハンカチを突っ込んだ。
「んんんー!!!!」
「分かってんだろ。俺がしたこと!」
「ンンンンッッ!!!」
「まぁいいや。そのまま待っとけ!」
旦那は私の両手足をしばり、台所から包丁を持ち出して、厳重に各部屋の鍵を閉めた。
「お前の口から話されるのは癪だから、自分で全部言ってやるよ。俺は妊婦を襲って降ろさせるSNSで現れた鬼才って呼ばれる通り魔だ!」
旦那はそこから自慢のように妊婦を襲った過去を話し始めた。
そして、私が知らなかった事実を話し始めた。
「お前が襲われた3年前、俺がひとりで仕事に行ったと思うか!? んなわけねぇだろ!!」
旦那はニコニコの笑顔で包丁を振り回しながら話す。
「お前が電車に乗ってる所に殴りを入れたのは俺だよッ!!!!」
泣くしか無かった。結婚してからも3年、手を出してくれなかった理由は、本当に子どもが欲しくなった時に孕ませ、嬉しさを壊すための旦那のエゴだったんだから。
「あ、そうだ。俺さ、今からお前犯すわ。んで、子ども孕んでもらって、3ヶ月後、また殴るわ。うん。それがいい。それがいいなぁ!!!」
旦那は包丁で服を切り破っていく。
だけど、そのタイミングで玄関がガチャガチャと鳴る。
「あぁ?」
旦那はテーブルに包丁を置いて、玄関に向かった。その時だった。
扉が蹴破られる。
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