フィードバック「息継ぎの二層 朗読・演奏」
◆謝辞
この記事は、丸毛鈴(https://kakuyomu.jp/users/suzu_maruke)さんがカクヨム外に寄せて下さったコメントを主な核として書かれています。また、干野ワニ(https://kakuyomu.jp/users/wani_san)さんが「文章」のフィードバック記事に寄せて下さったコメントも参考としております。
ワニさんのコメントはこちらからご覧ください。
https://kakuyomu.jp/works/16817330664681347529/episodes/16817330665097433960
丸毛さんのコメントは一覧出来る場所がないため意訳、または引用を多めでお送りします。
丸毛さん、ワニさん、ありがとうございます。
(以下、引用が多くなりすぎたため、引用符(“”)を使って引用を示しています)
◆「息継ぎの二層」
“息継ぎ”という表現は、元はJUGULARRHAGE(https://kakuyomu.jp/users/jaguarhage)さんが寄せて下さったコメントから生まれています。
“
全体として句読点の打ち方が書きに準じた物というより、声に出して読んだ際の息継ぎに近い打ち方と感じました。
(出典:https://kakuyomu.jp/works/16817330664681347529/episodes/16817330664777768769)
”
そして、これを踏まえて意見を求めた際、丸毛さんは以下のように言って下さったのです。
“
伊草さんの文章は、「音読を意識した」というよりは、もうすこし生理的に感じます。[…]
音読の場合、ある程度「日本語の文章のリズム」の型を前提としてやるものだと思います。口語や生理的な息継ぎとは切り離された、「文章を文章として朗読したときに、自然なリズム」。[…]なので、音読をした結果、語順を並び替えたり読点をつけかえるとしても、それはイコール人間として自然な、生理現象として息継ぎをする場所とはちょっと違う(ベン図でいえば重なる)。
伊草さんの文章は、もちろん「日本語の文章のリズム」の型を前提、ベースにしています。ただ、読点の位置は、一般的な、音読をして調整した文章よりも、生理的現象として息継ぎをしたい場所により近い。
とくに、戦闘シーンなどの文章は、ある種とても音楽的です。スタッカートで刻む、ビートが変わる。リズムを文章で表現しているようなところがあります。
日常シーンになると、これが「文章を文章として朗読したときに、自然なリズム」になります。
伊草さんは、元から「体言止めを控えめにした日常シーンの文章(朗読ベース)」「戦闘シーンの文章(息継ぎベース)」を使い分けていますよね。「息継ぎベースしか考えていなかった」と書いていらっしゃいますが、たぶん息継ぎベースと、もうひとつ朗読ベースを区別しているはずです。無意識だとしても
”
これは目からうろこが落ちるようなご指摘でした。
確かに、自分は音楽に近い感覚で書いている部分がありました。
伊草に限らず、そのような体感で書かれている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ともあれ、“音楽”、そして“朗読”。
“息継ぎ”には少なくとも二つあり、それを分けて捉えることで得られるものがあるのではないか?
そんな風に丸毛さんがまとめて下さるのを聞くに及んで、まとめよう、と伊草が考えたのも無理からぬこととご理解頂けるように思います。
そして折しもまとめようとしていた時、ワニさんも恐らく同じ話題と思う点に言及して下さいました。
“
でも伊草さんの文章は、読点と体言止めとルビの多用が、良い意味でクセになっている気がするんですよね。
ただその真価は戦闘パートでこそ発揮されると思うので、もし読みやすさを気になさるなら、日常パート側のクセをさらに抑えてみるのはアリかもしれません。
そうすることで、より一層戦闘パートの緊迫感を強調できるかも?
ゲームで例えるなら、BGMが戦闘曲に切り替わる感じです。
(出典:https://kakuyomu.jp/works/16817330664681347529/episodes/16817330665097433960)
”
先述の通り、音楽に近い感覚で文章を打たれている方、いらっしゃるはず。
なら、「息継ぎの二層と読みやすさ(とトレードオフになる個性の問題)」という話題はなおさら書く意味があるはずだな、と思ったのです。
◆「トレードオフ 読みやすさと没入感」
ここで追加で引いておきたいのが、丸毛さんの別の発言です。
(以下二箇所に渡って連続引用します)
“
[…]極論から書いてしまうと、「癖がある文章」「文体がはっきりとある文章」というのは、深い没頭感を誘う一方、多少なりとも没頭の妨げになるものだと思います。少なくとも、読者の頭が噛み合うまではそうでしょう。
極端な例を言いますと[…]我々が作品にふれた時には、すでに十分な評価を得ていた西尾維新や京極夏彦。この人たちの文章を、デビュー前に前知識なしで読んだらどうだったかなと考えるのですが……。いずれは必ず「すげえ」と言うでしょうけど、少なくともわたしは、最初はちょっと面食らうと思うんですよね。
わたしはクセのある文体というのはそういうものだと考えています。[…]
”
“
本題の「没入感をそぐかどうか」。これはやはり、Noであり、Yesです。
それは「癖のある文章は、絶対に抵抗を生むから」です。
一方で、とくに戦闘においては、没入感をマシマシにしてくれます。というか、あのスタッカートみたいな表現の「ない」ホロウライトの戦闘シーンって想像つきます?
あれは没入感と絶対的なセットになっています。
[…]わたし自身の回答は、伊草さんの独特の文体は、「没入感の助けになる」と思っています。というのが結論ですね。
”
「息継ぎにおける音楽っぽい体感の文字表現」では流石に当てはまらなくても、「作者固有の表現感覚と没入感」というこの捉え方なら「あー、自分もこれあるな」と思われること、あるんじゃないか。
少なくとも僕は他の作者さんの作品に応用出来そうな見方だと感じました。それくらい、ここで出てきたものは大きめの話題だなと。
いやそんなこたーない、とする先輩もいらっしゃるかと思うんですが、一応その前提で話を進めると、勘所は「トレードオフ」「
踏まえると、先程引用をさせて頂いたワニさんのご意見は、伊草という具体例を踏まえた際の調整案を示して下さったものとなりますし、JUGULARRHAGEさんの「このままでもいいし、直してもいい」というコメントも、より精彩な含意を秘めるものとして、踏み込んで具体例を意識しつつ解釈できます。
◆伺えたら嬉しいこと
・「この辺は、読んでいて没頭に繋がるような良いフレーズだった」という具体例
・(皆様の自作に引き付けた)この話題についての考察や、理想的調整についての持論
・これから進める予定である、伊草の調整についてのご意見や助言
・単純に「そうそう! そう思った!」「いや、違くない?」などの雑感
などなど。
よろしければお願いいたします!
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