第7話
学校のすぐ近くに大きな総合病院がある。熱中症で倒れるとここに運ばれる。病院から河川敷沿いにちょっと歩くとスーパーあって、俺はいつもここで部活帰りにアイスを買っている。あと、エネルギーゼリーも。いつも130円の抹茶アイスと200円のゼリーを買う。だから今日も330円を握りしめている。
「まじかよ…」
アイス売り場に行くと、もうお高いアイスしか残っていない。段々と夏の暑さが厳しくなってきて、アイスの需要が増えたのだろう。とはいえ、まだ6月だけど。俺は仕方なく、ゼリーだけを買ってスーパーを後にした。
スーパーを出てまっすぐ歩くと、交差点があり、横断歩道を渡ったところに我が家がある。
「ただいまぁ。腹減ったぁ」
俺は何かにとりつかれたように、ソファに飛び込んだ。
「ちょっと! 汗だくでソファにのらないでっていつも言ってるでしょ!!」
母さんが俺の尻をひっぱたく。
「今日はちゃんとシャワー浴びて来てるから、大丈夫だって」
俺はそう言ったけど、母さんは俺の野球帽を取って苦い顔をした。
「ほら、びしょびしょじゃない! 洗濯物は洗面所に出して。ご飯は? どれくらい食べるの」
「3杯」
「はい、じゃあさっさと洗濯物出して! ほら! 動く!」
俺は母さんに急かされて、やっとソファから離れた。
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