第2話

 俺はいい仲間に恵まれていた。

 強豪校ではどこもいじめとかパワハラとか、そういうのが問題になっているけれど、うちの学校はみんな仲良しだし。

 俺のことを慕ってくれる可愛い後輩も、ノリのいい同級生たちもいて、練習がすごい明るい。


 それに、顧問の先生やコーチの人もいい人たちばかり。指導は的確で、練習を重ねるたびに上手くなるのを実感できる。


 練習設備だって整っている。さすがは強豪校。球出しマシンの性能がいいし、スプリンクラーも全自動。練習後に浴びるためのシャワールーム。

 文句の出しようがないほどに完璧なところだ。


 こんな素晴らしい環境で、俺は毎日満足のいくまで練習をしている。汗と土でユニフォームをどろどろにして帰るのが日課。

 汗の滲みた野球帽に、母さんが「くっさい」ってクレームを言ってたっけ。

 それでもなんだかんだ毎日洗濯してくれて、毎朝「いってらっしゃい」って背中を押してくれる。

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