ソルティキャップ

白藤しずく

日常

第1話

 俺は佐竹陽介さたけようすけ。高校3年生。野球部。ちなみに今は、強豪校でエースピッチャーをしている。


「ナイスピッチャー!!!」

「今日も球走ってんなー!!」

 俺がマウンドに立てば、いつもそんな声が聞こえてきて。仲間の声を聞けば聞くほど、やってやるぞ! って気持ちになる。

「今日もさすがのピッチングだったな」

 練習試合が終わり、水道で足を洗っていると、今俺とバッテリーを組んでる鮫島さめじまってやつが来てそんなことを言った。

「いつも通りにしただけだよ。それに、打たれなかったのはお前の配球のおかげ」

 俺が素っ気なく返事をしても、

「くぅ~! なんでお前はそんなクールなんだ」

 と、肩をぶつけてくる。調子のいいやつだ。

 鮫島はこんな性格だから、後輩にも慕われていて、『番長』なんてあだ名もある。

 ちなみに俺は、後輩の憧れの的。クールでかっけぇらしい。自分ではよくわからないけど。

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