第23話 冒険者ギルド ③
俺が聞いておいて何だが、簡単には解決しそうにない事が原因だった。
なので余計な事は言わずに、説明会の会場に移動する事にした。
促すと五人とも応じてくれたので、一緒に移動する。場所は先に確認しておいたので迷わない。
何故か泣いていた兎っ子娘がこちらを見て来る。
その割に兎っ子娘は俺には全然話しかけては来ない。おかげで物凄ーく何か居心地が悪かった。
もしかして何か気に入らなかったのだろうか?
俺、一応助けてあげたんだけどね?
女心は良く分からん。元々思春期くらい年の頃だしな
俺は
若返った今は、
面倒なので兎っ子娘の視線はスルーしつつ、他の面子とは歩きながら軽く話した。
先ずは自己紹介、名前を名乗り教えてもらう。
次いで互いの状況の確認をした。
何でも学校の行事で、学年単位でバスで都内に来ていたらしい。宿泊訓練って奴だろうか。
学校行事とは懐かしい限りだ。しかしそれで死亡とは運の無い事で。
死んだ理由は彼ら彼女らも覚えていないらしいが、残っている最後の記憶はバスに乗っていた記憶だそうだ。
それも高速道路を走行中の。
俺も会社に帰るのに高速道路を走っていた筈。
マジでうちの新人くんが事故原因じゃねぇだろうな?
だったら申し訳なさすぎる。
とは言え確定した訳じゃないし、憶測でそんな事は口が割けても言えない。
混乱させるだけだろうし、黙っておこう。
気になるのは恋人関係ではあるそうだが、全員が同じクラスだったと言う訳では無かったという点。
クラスごとに別のバスに乗車していたそうなので、決して四人で固まっていた訳じゃ無いそうだ。
死んで河原にいた。そこに女神が来た。までは俺と同じだったが、そこからが違った。
河原で四人が集められたそうだ。女神様に。
しかも若くて綺麗で美人の女神様だったんだってさ!! 何それ? 差別ですか?
別に文句は無いんだけどさぁ。俺の方も女神様は女神さまだったし。
でもなんかずるくないか?
俺だけ贔屓された! と思ったから婆さん女神でも感謝したんだけど、結構他も贔屓されてんじゃんか!!
何か納得がいかない。
・・・・・・が、これも口には出さないでおいた。
爆乳兎っ子魔法使い娘は、俺と同じように一人だったらしい。
他の女子と話しているのを聞いてる感じ、彼女を案内したのも女神さまらしいが四人を案内した女神さまとは別の女神のようだ。
だが名前は名乗らなかったそうだ。
そういや俺も婆さん女神の名前は聞いていない。
となると名前で判別は無理か。
名前といえば
犬の獣人 で 魔法使い系装備の女性が
〝河西 真白〟 で 『カワニシ・マシロ』 という名前だそうだ。
冒険者ネームは【 マシロ 】で登録したそうだ。
なので彼女の冒険者としての名前はマシロさんだ。
とは言えいきなり名前呼びはちょっとね。さてなんて呼ぼうかね?
垂れた耳が特徴的な種族の犬人族だ。
何の種族かは犬に詳しくないから俺には良く分からない。まだ聞けるほど親しくもないし。
まぁ次、次。
もう一人、ダブルカップルの別カップルの彼女の方が
〝東雲 青葉〟 で 『シノノメ・アオバ』 という名前だそうだ。
冒険者ネーム は【 アオバ 】
彼女は猫の獣人族で、ポジションはヒーラーだろう。
ドラゴンをクエストするロープレの僧侶っぽい恰好をしているので分かりやすい。
その装備は意外と猫耳とも相性が良い。悪くない。
猫だからか釣り目でちょっと強気に見え、細くて背が高めなのでモデルっぽい感じもある。
黒髪ショートカットの髪型が猫耳とよく似合っている。
そんな俺は実は猫好き、だったりする。
勿論人と猫の区別はつけますが。
猫じゃらしとか彼女の前で揺らしてみたら怒られるかな~、なんて事は考えたりはする。
やりませんよ? 多分。
謝って来た狼の獣人の男の方が
〝南雲 朱音〟 で 『ナグモ・アカネ』 という名前だそうだ。
冒険者ネームは 【 ナグモ 】
アカネという名前は女の子っぽくてあまり良く思っていないらしい。
なので苗字で登録したそうだ。
個人的には朱音って良い名前だと思います。だが当人が嫌だと言うならば俺が何か言う事ではない。
名前に関しては俺も嫌な呼び方がある。自分が嫌な事は人にしてはいけません。
アオバさんの方の彼氏らしい。
やはり犬では無く狼の獣人で、剣と盾を持っているので前衛系。
という事で分かるように、この四人も河原で女神に集められた時に軽く相談して役割を決められたそうだ。
最後の男が狐の獣人で、やはり役割は魔法使い系
〝黒瀬 北斗〟 で 『クロセ・ホクト』 という名前で冒険者ネームは 【 ホクト 】
犬っ子の魔法使いマシロさんの彼氏らしい。
何だけど、本来彼は魔法使い系になる予定じゃなかったらしい。
女子二人がその件でホクトくんをちょっと責めていた。
詳しくは聞かなかったが、打ち合わせをして別れたのにノリでポジション変えるとか・・・・・・
ノリで何かされると嫌だから、仮に一緒に行動する事があったら彼には気を付けようと思う。
最後に兎の獣人で魔法使いの装いの子。泣いていた子だ。
〝甲斐 千秋〟 で 『カイ・チアキ』 という名前だそうだ。
冒険者ネームは 【チアキ】
「あれじゃね? だったら甲斐さ、アキノさんと行動したらいーんじゃね?」
一通り話を聞き、こちらもダブルカップルからあぶれてる身だと説明した所でホクトが良い事を思いつたちばかりにドヤ顔で言った。
ここでそんな提案するか? やっぱ要注意だなホクト。
「あー、でも悪くないか、も?」
クロネコっぽいアオバがちょっと考えてから答える。
俺が何て答えるか考えている間に、他の二人も賛同した。
はい、完全に押し付けです。
悪くない提案に思えるかもしれないが、それ感じ悪いぞ。
「えっと・・・・・・じゃあ、お願いしても・・・・・・いいですか?」
と思ったらカイチアキが応じてしまった。
俺まだこの先の動きを決めた訳じゃないんだけど!?
鬼とエルフとも話さなければならんし。弟子になったら一緒に行動なんて出来ないだろう。
それとも一緒に弟子になるか?
そのなるかどうか、をまだ決めていないんだから安請け合いは出来ぬ。
「とりあえず説明会が終わったらもう一度話しましょうか」
無難に答えるしかない訳だ。悪く思わないで欲しい。
なんてやりとりをしている間に説明を受ける訓練所に着いた。
何をおいてもまず説明会だ。後の事はが終わってからだ。
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