第20話 生と死の一秒

沢山の患者さんの亡くなる瞬間に立ち会いました。


例え意識はもう殆ど無くなり、反応も無くなっいても、一線があるんですね。


ふっと呼吸が止まる。

心臓が止まる。


その一秒とも思える瞬間。


あっと言う間に、生きてる人から

死んだ人に変わるんです。

(失礼な言い方で、気分を害された方、

申し訳ありません。)


ああ、亡くなったんだ、、。

私の知ってる患者さんじゃないような

不思議ない気持ちになりました。


亡くなる瞬間まで、顔も体も良く知っていたのに。

別人に思えるんです。


こんな時に許されるなら

「嘘でしょう!

帰ってきてくださいーー!

お願いだからーー!」と叫びたい。


いや、それは職務上やってはいけない。


エンゼルケアをする頃には、気持ちも少し落ち着き、顔や体を拭きながら、話かけたりしますと笑ってるような気さえします。

何だ、やっぱり患者さんだった、、。

良かった、どこかに行ってしまったのかと思いましたよ。

私はほっとします。


この感覚をどうお伝えしたらいいのか。







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